いま成人の3人に1人かかっている脂肪肝! 専門医として40年以上肝臓を治療する医師が提案する解決法が、『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)。脂肪肝に自覚症状はないものの、放置すると肝炎、肝硬変、肝臓がんと進んだり、脂肪肝を起点にさまざまな病気や症状も生まれたりします。糖尿病から、肥満、意外にもぎっくり腰や認知症まで、あらゆる不調の引き金にも。でも大丈夫! 肝臓は再生能力が非常に高いので、肝臓の脂肪を落とし、代謝、解毒、免疫をパワーアップすることで、さまざまな病気を遠ざけて、健康長寿を実現します。

今、「肝臓」が注目されているワケ
私は肝臓の専門医として大学病院に30年勤務し、東京の日本橋にクリニックを開いて16年ほどになります。長い間肝臓の医療に関わってきて最近実感しているのは、今、かつてないほど肝臓に注目が集まっていることです。
どうしてなのか? それは「脂肪肝はアルコールの飲み過ぎだけが原因ではない」「脂肪肝があらゆる病気の原因となる」という考え方が広まってきたからです。
実は私は、40年以上も前からこのことを感じていました。
当時は脂肪肝といえば肥満や糖尿病、アルコールの飲み過ぎと関係している病気とされていました。でも脂肪肝と診断される人があまりにも多いことから、それ以外に原因があるのではないかと考えていました。
また、脂肪肝と診断された人が、狭心症や心筋梗塞など別の病気にかかるケースが多いことなどから、脂肪肝を改善すれば、別の病気の発症を抑えられるのではないかと考えています。
このことは論文や著作でも、長年発信し続けてきました。それがここにきてようやく注目されるようになってきたのです。
よかれと思って逆効果! お酒の前のウコンは肝臓に悪い!?
実際、日本人の脂肪肝は、アルコール以外の原因からくるものが多くを占めています。悲しいかな、「これは健康にいい!」と思ってがんばっていたことが、実は脂肪肝を引き起こしていた症例をたくさん見てきました。
たとえば、「健康のためにビタミンをとろうとして、毎日フルーツを欠かさず食べている」とか「お酒を飲むときは肝臓を守るためにウコンのドリンクを飲んでいる」などなど……。「えっ、それはよくないの?」と思われた方が多いのではないでしょうか。
実はこれらはすぐにでもやめたほうがいい習慣の代表といえるでしょう。その理由をこの連載で解説していきたいと思います。
※本稿は『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。