メンタルが崩れた時に絶対やってはいけないNG行動
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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崩れたメンタルを自力で立て直す方法
精神的な状態がなんとなく優れない、いわゆる「メンタルが崩れた」状態から、自力で立て直す方法というテーマでお届けします。
ただし、これはあくまで一般的なお話です。精神疾患などで主治医の先生がいらっしゃる場合は、その先生の指導を最優先にしてください。現在治療中の方は、このケースには当てはまらない可能性があるため、一つの提案としてお聞きいただければ幸いです。
ステップ1【急性期】
まずは心のままに感情を出し切る
まず、心の調子が崩れる時期を「急性期」と「慢性期」に分けて考えます。例えば、何かとても嫌なことや、悲しいトラブルなど、はっきりとした原因があって心の調子を崩した時。これを「急性期」と考えてください。
この時期に大切なのは、我慢せずに感情を出し切ることです。気が済むまで泣いたり、引きこもってゴロゴロしたりと、ご自身の心と体の声に耳を傾け、それに任せてみましょう。
もちろん、誰かを傷つけたり、物を壊したりするような暴力的な行動は避けるべきですが、「思う存分引きこもる」「泣き続ける」といった方法で、まずは感情を解放してあげることが重要です。
ステップ2【慢性期】
規則正しい生活で心身のリズムを取り戻す
散々泣いて疲れ果て、「もう何もしたくない」という無気力な状態になることがあります。急性期が過ぎ、感情の大きな波は落ち着いたものの、だるさや悲しさといった余韻が残っている状態。これが「慢性期」です。
この時期に移行したら、ぜひ「規則正しい生活」を心がけてみてください。モーニングルーティンや、帰宅後のルーティンなど、決まった習慣がある方は、それに従って生活することをおすすめします。
なぜ規則正しい生活が有効なのか①
体から心を整える
なぜ、規則正しい生活が心の回復につながるのでしょうか。それは、体のリズムを整えることが、精神状態を安定させる近道だからです。もちろん、ある程度健康で体が動くことが前提です。もしそれさえも難しい場合は、専門医への受診を考えた方が良いでしょう。
しかし、体が動く状態であれば、気持ちの力だけで心を立て直そうとするより、行動から変えるほうがずっと簡単です。つらい時に「考え方を変えよう」と思っても、長年かけて作られてきた自分の気持ちをすぐに変えるのは非常に困難です。
それよりも、体の調子を整える方が取り組みやすいのです。体のコンディションが良い時は、不思議とネガティブなことを考えにくくなります。ですから、いつもの時間に起きて、いつものように活動するという体のリズムを守ることが、結果的に心の安定につながります。
なぜ規則正しい生活が有効なのか②
「今」に集中し、悩む時間を減らす
規則正しい生活やルーティンには、もう一つ大きなメリットがあります。それは、目の前のことに集中することで「気が紛れる」という点です。
メンタルの調子が悪い時は、いわば「頭が暇」になりがちです。今やっている作業から意識が離れ、嫌だった出来事を頭の中で繰り返し考えてしまいます。これは「今」に集中できていない状態です。
人は、目の前のことに集中している時、余計なことを考えずに済み、気持ちが楽になります。仕事や家事などの決まったルーティンを淡々とこなしていると、悩む隙がなくなり、自然と心が空っぽになる時間が増えます。
そのうちに、心は少しずつ本来の落ち着きを取り戻していくのです。
心の回復ステップ
まずは【急性期】で、「今日は一日中引きこもって泣く」と決めるなどして、しっかりと感情を出し切ってください。
そして、少しだけ気持ちが落ち着いてきたら【慢性期】のサインです。そこから、できる範囲で構いませんので、規則正しい生活に戻すことを意識してみてください。それが、ご自身で心を立て直すための大きな助けとなるはずです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








