ベンチャーキャピタル(VC)の基本原則は、10社にそれぞれ1ドルずつ投資し、そのうち3社の評価額がゼロになり、1~2社が10ドル以上になり、残りはまあまあの結果になることを受け入れることだ。「勝ち組」が「負け組」の損失を十分に補うが、評価額が10倍になる投資先を確保できるのではと期待しながら資金を分散投資する。人工知能(AI)への投資も次第に同じ考え方になってきているが、分散投資の要素はない。これにより投資家は、人間に匹敵するかそれを上回る汎用(はんよう)人工知能(AGI)という一つの大きな賭けを追い求める中、あらゆるリスクにさらされている。AGIはチャットボットではなく、人間の脳に代わる真に有能な存在だ。映画「ターミネーター」、「2001年宇宙の旅」に登場するコンピューターのHAL、「ブレードランナー」を思い浮かべてほしい。
AI投資家が求める大きな成果、そこに潜むリスク
現在のモデルに多くの計算能力を投入するだけでは不十分だと考えるべき理由がある
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