トランプ大統領Photo:Alex Wong/gettyimages

予想以上に底堅い米国経済
関税ショックは収まったのか

 米国経済に関する悲観論が後退している。オックスフォード・エコノミクスも米国の成長率予測を順次引き上げ、9月時点予測では今年が1.9%、来年が2.0%とコンセンサスに比べ強めの成長を見込んでいる。小売統計や第2四半期のGDP(確報値)を受け、今月(10月)は消費を中心に更に見通しを引き上げる方針だ。

 米国経済が予想以上の頑健性を示したことで、悲観論が後退しているのは、大きく二つの理由がある。一つは今年前半に予想を上回って著しく拡大したAI関連投資の影響だ。デジタル関連投資(対GDP比)は急上昇しており、すでに2000年頃のITブームの高水準に達している。この勢いは26年にかけて続くと見込んでいる(図表1)。

 もう一つは、悲観論の原因となっていた関税ショックの影響に関する懸念の後退だ。ショックは一時的な調整に止まる見込みで、深刻な景気悪化に発展するリスクは後退している。