感情の引き金は、すぐそばにある
果たして人は数日前の出来事をいきなり思い出して、何かを思ったりするものでしょうか。「きっかけ」は、時系列的にもっと近くにあるはずです。
そう考えると、気になる描写は、傍線部のまさに直前に書かれている、ともきの「走る背中を見送るうちに」の部分です。
間接的な描写ですが、「ともきの背中」を見てそう思ったということは、自動的に「ともき」のことを考えているはずです。そうであれば、ともきのことを考えたことが、誇らしさにつながっていそうです。
そこで、とくに直近でともきのことで誇らしくなったことは何かと考えると、やはりふさぎ込んでしまっていたともきが再び練習を始めたことではないかと考えるのです。そして、その背景を考えると、その前に試合を見にきていたとあることから、「ぼく」の活躍がともきに影響を与えたと考えるのが妥当です。
「自分の活躍」と「友の再起」を結びつける
問題の下線は、「きっかけ」の近くに引かれる場合が大部分です。ですから、誇らしく思ったポイントとして、ともきの復帰に触れなければなりません。
全体の論旨も踏まえると正解は、「自分の大会での活躍が、親友のともきにやる気を出させるきっかけとなったように感じたから」などになるでしょう。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









