集中力が続かない、もの忘れが増えた――そんな変化を「年齢のせい」と思っていませんか。じつはそれ、“脳にたまった毒”が原因かもしれません。認知症専門医が警鐘を鳴らすのは、日常的に口にする食品が脳の働きをにぶらせる「毒」を生み出しているという事実。『脳の毒を出す食品図鑑』(医学博士・白澤卓二著)では、脳に負担をかける食品と、逆に“脳の毒を出す”食品・メニューを豊富な図解とともに紹介。食事を変えれば、脳はよみがえる――その新常識を解き明かします。

【心配ないかも】専門医が語る「単純なもの忘れ」と「軽度認知症」の決定的な違いとは?Photo: Adobe Stock

認知症ってどんな病気?

 ある生命保険会社が30~70代の男女に「最もなりたくない病気」について調査すると、1位に「認知症」があげられました。

認知症の増加年齢と平均寿命・健康寿命

 九州大学の二宮利治教授が行った調査では、認知症は70歳を超えると大幅に増え、90歳を超えた女性では半数以上が認知症になる結果に。

 そして平均寿命から、心身ともに健康で過ごせる健康寿命を引くと、男性では8.49年間、女性では11.63年間、何らかの病気を抱えていることになります。冒頭の調査で、認知症になりたくないと答えた人が多いのもうなずけます。

 しかし、ただやみくもに恐れていても仕方がありません。正しい知識をもって、認知症を予防したいものです。

認知症は大きく3つのタイプに分けられる

 認知症は、アルツハイマー型認知症が最も多く、脳にアミロイドβがたまることが原因で起こります。

 脳血管型は、脳出血や脳梗塞などで脳の機能が失われることで起こります。

 レビー小体型は、レビー小体という構造物がたまることが原因と考えられていますが、はっきりわかっていません。

 ここでは、最もかかる人の多いアルツハイマー型について解説していきます。

認知症ともの忘れの違いとは?

「スマホどこに置いたっけ?」とか、人やものの名前が出てこなくて、「あの人」、「これ」などの代名詞が増えてくるのは、誰でも心当たりがあることでしょう。

 年齢に関わらず、若くても脳が疲れていれば、もの忘れもあります。

 とはいえ、中高年にさしかかると、「もしかして認知症?」と心配になるのが人情です。

 認知症の初期の段階では、もの忘れに似たところもあります。

 しかし、認知症ともの忘れにはいろいろな違いがあります。

 何度も同じ物を探しつづけたり、同じ物ばかり買ってきたりしたときは注意が必要です。

 もの忘れを自覚しているうちはまだ大丈夫。脳によい食べ物を食べ、認知症の予防に役立てください。

アルツハイマー型認知症の進行と特徴

 アルツハイマー型認知症は、初期症状としては、もの忘れなどの記憶障害が起こります。

 それからゆっくりと進行して、年月日がわからない、道に迷うなどの見当識障害、理解力や判断力の低下などが見られるようになります。

 人によって違いがありますが、間接的には、不安やうつ、暴力・暴言、心理症状が見られることがあります。

※本稿は『脳の毒を出す食品図鑑』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。