国語の成績が伸びない子がハマる罠…「活躍したから」では3点しかもらえない理由とは?
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格! 『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【国語で差がつく】できる子は「時間」を読んでいる…8割が間違う記述問題のたった1つのコツPhoto: Adobe Stock

なぜ、この問題で差がつくのか?

僕たちが運営する国語特化のオンライン個別指導『ヨミサマ。』の授業で使っている記述問題を紹介しましょう。

次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

(サッカー部で補欠の「ぼく」は、レギュラーである親友の「ともき」がケガをしたことをきっかけに、夏休み最後の大会に出場することとなった)

ともきがケガをしたとき、正直いって、ぼくなんかが代わりに出るなんて無理だろうと思った。肝心のともきはミーティングにも来なくなってしまい、なんだかいつもの部活ではないみたいな気持ちになってしまった。
コーチから「お前が出ろ」と言われたときには、断ろうかと思ったほどだったが、せっかくのチャンスだと思い、放課後のグラウンドに残っては、泥だらけになるまでボールを追いかけた。迎えた大会の日、ぼくは緊張で足がすくんだけれど、なぜか実力以上のプレーができて、決勝点となるゴールを決め、チームは見事に優勝した。試合後、ぼくは胸がどきどきして、高揚感に包まれた。その試合は、ふさぎ込んでいたはずのともきも見に来ていたようだ、と後で母親から聞いた。
大会の疲れが癒えるころ、いつもより早くグラウンドへ行くと、トラックを走る人影があった。よく見ると、家に籠ってばかりいたともきだ。きっと、ともきはすぐに復帰して、ぼくはまた補欠に戻るんだろう。走る背中を見送るうちに、ぼくは密かに誇らしい気持ちになった

問題 
____線に「誇らしい気持ちになった」とあるが、なぜ「ぼく」は誇らしい気持ちになったのか。

このタイプの問題は、過去に1000人近くの生徒たちに解いてもらっており、それこそありとあらゆるタイプの誤答を目にしています。

8割くらいの子は、「大会で優勝したから」とか「活躍できたから」といった解答をしています。完全な間違いではありませんが、正解としては不完全。10点満点なら3~4点しか取れないでしょう。

解答を分ける「時間」の意識

こうした解答をする子の根拠は、問題文の中盤にある「チームは見事に優勝した」や「高揚感に包まれた」といったような部分でしょう。

しかし、「ぼく」が「誇らしい気持ちになった」のは、「ぼく」の活躍によってチームが大会で優勝してからどれくらいの時間が経ってからでしょうか。

しっかりと読めていない生徒は、「次の日くらい?」と捉えてしまいます。でも、例文をよく読むと、「大会の疲れが癒えるころ」という記述があるため、最低でも数日は経っていると考えられます。

大会の疲れが癒えたと考えると、実際は1週間以上は経っている可能性が高そうです。