大手企業などに複数内定を取る就活生は、10月にいったい何をしているのでしょうか。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、一瞬で内定する学生が10月にやっていることについて著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活生は「やるべきことの順序立て」ができている
1月を過ぎると、一気に就活生が本格的に動き出します。そう考えると、10月の今はまさにスタートダッシュに最適な時期です。
この時期に何に取り組むべきなのでしょうか?
多くの人はSPIなどの適性検査対策に力を入れ始めています。これは非常に賢い動きで、今のうちに対策しておけば、1月以降に焦ることがなくなります。
ですが、SPI対策を始める前に、ぜひ10月に取り組んでほしいことがあります。それが「やるべきことの順序立て」です。
就活では「何をどの順番でやるか」が明確になっていないことが多いです。そのため「とりあえずSPI対策をやるか」「自己分析をしてみるか」「ESを書いてみるか」と、思いつきで進めてしまいがちです。結果として「ESにかける時間が足りない」「面接対策が全然できていない」と、ヌケモレが発生してしまうのです。
だからこそ、まだ余裕のある10月に「就活全体の流れ」を把握して、やるべきことを順序立てて整理することが大切です。
大きな画用紙を1枚買って、やることを書き出してみる
では、どうやって順序を立てればいいのでしょうか。おすすめの方法があります。
それは、B1やA1サイズの大きめの画用紙を買うことです。スマホやパソコンではなく、あえて手書きでスケジュールをまとめるのです。
まずは画用紙の左端に「就活でやるべきこと」を箇条書きで書き出していきます。このとき正解はありません。とにかく自分が必要だと思う行動をすべて洗い出しましょう。
・SPI対策
・企業選び
・エントリーシート対策
・面接対策
・グループディスカッション対策
・就活に必要なものの準備(カバン、スーツ、証明写真など)
続いて、それぞれの項目をさらに細かく分解します。
ネットや就活本を参考にしながら、「具体的に何をするのか」を細かく刻んでいくイメージです。
ー長所と短所を明確にする
ー自分がどんな人と合う・合わないか考える
ーどんな企業が自分に合うか考える
ー問題集を1冊買って取り組む
ー玉手箱にも触れておく
ー性格検査の仕組みを理解する
ー業界研究(就活本などで基礎を学ぶ)
ー企業研究(気になる企業を10社ほど分析してみる)
ー企業選びの軸を考える(自分に合う条件・避けたい条件を整理)
ー自己PR・志望動機・ガクチカを徹底的に練る
ーその他の頻出質問に回答を用意
ー自由記入欄の構成を考える
ー志望企業の過去ESを参考にする
ーポイントを押さえて準備
ー自分の苦手な質問を洗い出す
ー自己紹介・逆質問の回答を考える
ー役割の種類を理解する
ー自分が得意な立ち回り方を考える
ー過去テーマを調べて練習してみる
このように細分化していくことで、「これならすぐ行動できる」と思えるレベルまで具体化できます。
洗い出した行動を順番に並べてみる
ここまで「やるべきことの洗い出し」ができたら、次は「順番に並べる」フェーズです。「洗い出す→並べる」さえできれば、行動に一貫性と抜け漏れのない流れが生まれます。
大きな画用紙に書くことで、追加や修正も簡単。後から「この行動も必要だ」と思えば書き足せばいいし、「これは違うな」と思えば消せばいいのです。
1枚の紙に全体をまとめることで、頭の中が整理され、「何をすればいいかわからない」状態から「やるべきことが一目でわかる」状態に変わります。
以上が、10月に就活生にぜひ取り組んでほしいことです。すでに動き出している人も、「洗い出す→並べる」で全体を可視化することで、効率的かつ抜け漏れなく行動できるはずです。
もし「学生時代に頑張ったことはバイトくらいしかなくて面接で話せることがない」という方は、拙書『脇役さんの就活攻略書』を参考にしてみてください。誰でも、面接官に評価されるエントリーシートを仕上げることができます。
今回の記事が、あなたの就活を整理するきっかけになれば嬉しいです。