「どうせ新卒で入った会社で一生働くつもりはないし、就活なんて頑張る必要ないですよね?」
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、新卒就活と終身雇用について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

「就活なんて頑張る必要ないですよね?」

「大学3年生です。どうせ新卒で入った会社で一生働くつもりはないし、就活なんて頑張る必要ないですよね?」
とある就活生からこうした質問をいただいたことがあります。

これに対して僕は、「終身雇用がなくなった今だからこそ、新卒就活を頑張る意味がある」と答えています。

終身雇用は昔から当たり前ではない

そもそも終身雇用が“現実”だったのは、昔からごく一部の大企業に限られていました。高度経済成長期の倒産企業数を見ても、中小企業は今と変わらないペースで倒産しています。

つまり「昔は就職できたら安泰だった」というのは誤解で、一部の人だけが享受できた特権にすぎません。

そして現在は、かつてよりも「企業に勤め続ければ安心」という考え方が成り立ちにくくなっています。
景気は右肩上がりではなく、人口減少やグローバル競争、技術革新のスピードも速い。

大企業であっても「一生安泰」とは言えなくなってきました。

50年以上生き残れる企業はわずか6.3%

リスクモンスター株式会社の調査によれば、データベース約250万社のうち50年以上存続しているのは約17.5万社、つまり全体の6.3%しかありません。(※1)

企業に勤め続けられるかどうかは、会社が倒れないことを前提にした運の要素も大きいのです。だからこそ「どこに入っても一生安心」とは言えません。

だからこそ就活を頑張る意味がある

ここまで読むと「じゃあ、どこに入っても同じじゃないか」と思う人もいるでしょう。
でも逆なんです。終身雇用が一般的ではないからこそ、最初の就活で“より多くの選択肢を持てる企業”に入っておくことが重要になります。

企業に依存しないキャリアをつくるためには、早い段階で大きな仕事を任せてもらえる環境転職市場で評価されやすい経験やスキルを得ることが必要です。

それらを掴むチャンスが一番大きいのが「新卒就活」なのです。

本当の安定とは「いつでも転職できる状態」

「就活=一生の会社を決めること」ではありません。就活は、むしろ「いつでも転職できる力をつけるための第一歩」と捉えるべきです。

持っておきたいのは、「長く働ければありがたい。でもどうなるか分からないから、常に次の選択肢を持っておく」という姿勢。

転職する気がないと考えるよりも、常に「転職できる」状態であることこそが、本当の安定だと思います。

みなさんの就活を心から応援しています。

※1 参考文献:リスクモンスター株式会社
(https://www.riskmonster.co.jp/pressrelease/post_2013_059/)

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです