
人手不足の状況の中、採用した人材にできるだけ長く自社で活躍してほしいというのは、リーダー共通の願いでしょう。「すぐ辞めてしまう」事態を防ぐために、リーダーは何をすべきなのでしょうか。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)
新入社員が離職してしまう「3カ月の壁」
リーダーがすべきこととは?
新入社員が働き始めて3カ月が過ぎようとしています。この時期は「3カ月の壁」といわれるように、新入社員の離職率が高まる時期でもあります。
人手不足の状況が続く昨今、採用に課題を抱える中小企業は少なくありません。そんな中、時間もコストもかけてようやく採用した貴重な人材には、会社としては簡単に辞めてほしくないというのが当然の本音です。
では、どのように離職を防ぐ対策に取り組めばいいのでしょうか。

小宮コンサルタンツ代表
まず、個々の社員に向けてできることを考えてみましょう。例えば、新入社員それぞれに対して、困りごとや不安などの聞き取りを行うことが必要です。
ある会社では、1週間に1回、簡単なレポートを提出するという仕組みを作っています。レポートといっても堅苦しいものではなくて、上司や先輩には直接言いにくいこと、聞きにくいことをLINE感覚で書いてもらうのです。
提出先は直属の上司ではなく、人事担当者や部長という直接接点のない人たちなので、書いたことで毎日接している人たちと気まずくなるという心配もありません。
もちろん提出させるだけではなく、ハラスメントの告発など、レポートの内容によっては人事担当や部長がすぐに動いて事実を確かめて迅速に対処します。秘密厳守の内容でなければ、直属の上司や先輩に伝えてフォローしてもらうこともできます。