「ネガティブな感情」が頭の中で止まらなくなったら試してほしい、たった1つの考え方とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「ネガティブな感情」が頭の中で止まらなくなったら試してほしい、たった1つの考え方Photo: Adobe Stock

「ネガティブ感情」を消そうとしない

 怒りや不安、嫉妬といったネガティブ感情は、多くの人が「なくしたい」と願うものです。

 しかし、感情を無理に消そうとするほど逆効果になり、かえって強く意識してしまいます

 大切なのは、ネガティブ感情を消そうとせず、上手に扱う姿勢です

ネガティブ感情は「生存のための機能」

 ネガティブ感情は人間にとって不要なものではなく、生存を支える機能です。

 怒りは不正や危険から身を守るため、不安はリスクを予測して準備するために役立ちます。

 ネガティブ感情は「なくすべきもの」ではなく、「生き延びるための信号」と捉えるべきです

消そうとすると「強まる」

 心理学では「シロクマ効果」と呼ばれる現象があります。

「シロクマを考えないで」と言われると、逆にシロクマが頭に浮かんでしまうのです。

 同じように、ネガティブ感情を「考えないようにしよう」とするほど意識が集中し、むしろ増幅します

「共存する姿勢」を持つ

 ネガティブ感情は、排除するのではなく共存することが現実的です。

「いま自分は不安を感じている」「怒りを抱いている」と認識しながらも、それに支配されず行動を続ける。
 ネガティブ感情を敵視するのではなく、伴走者として扱うことで心は安定します

 ネガティブ感情を消そうとするのではなく、共存する姿勢が大切です
 感情を自然な反応として受け止め、必要以上に振り回されず、行動を続ける。これが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、ネガティブ感情を無理に消そうとせず、ゆるストイックに生きましょう。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。