ストレスを「力に変える人」と「潰れる人」。その違いはどこにあるのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

ストレスを「力に変える人」と「潰れる人」。その違いはどこにある?Photo: Adobe Stock

ストレスの「最適ゾーン」を見極める

 ストレスはゼロであれば良いというものではありません。
 逆に、全くストレスがない環境では人は成長せず、行動の意欲も湧きません

 重要なのは、自分にとっての「最適ゾーン」を見極め、そこでストレスを活用することです。
 本記事では、その考え方を整理します。

ストレスとパフォーマンスの関係

 心理学の「ヤーキーズ・ドットソンの法則」によれば、ストレスや緊張は適度にあるときに最もパフォーマンスが高まります。

 ゼロでは怠惰に流れ、過剰では萎縮してしまう。

 つまり、自分に合った適度なストレスこそが成長を促す要因となるのです。

自分の最適ゾーンを探す

 最適なストレス量は人によって異なります。

 短期的なプレッシャーで力を発揮する人もいれば、安定した環境で少しずつ力を伸ばす人もいます。

 大切なのは「他人の基準」ではなく、自分の経験を通して最適ゾーンを見極めることです。

ゾーンを維持する工夫

 一度最適ゾーンを見つけても、環境の変化で簡単に外れてしまいます。
 そのため、ストレスを細かく調整する工夫が必要です。

 仕事量を調整する、休養を意識的に取る、挑戦の難易度を上げ下げする
 こうした調整が、最適ゾーンを維持する鍵となります。

 ストレスは避けるものではなく、適度に管理して活用すべきものです。
 自分にとっての「最適ゾーン」を見極め、そこに身を置くことで、ストレスは成長のエネルギーに変わります。

 過不足なく調整しながら淡々と積み重ねる姿勢。これが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、最適ゾーンを意識し、ゆるストイックに生きましょう。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。