大人の言い換え力検定写真はイメージです Photo:PIXTA

言葉は頼もしいパートナー。あなたに力や勇気や幸せを与えてくれます。「大人の言い換え力」に磨きをかけて、日常のピンチを華麗に切り抜けたり、果敢に立ち向かったりしましょう!(クイズ制作/石原壮一郎)

クイズ

 満員の新幹線で隣に座った女性の足元に置かれたキャリーケースが、こちらの座席まで盛大にはみ出している。しかもキャスターがこっちに向いていて、服に汚れが付きそうだ。

「すみません、これ……」と穏やかに注意したら、苦い顔で「荷物が多いんだから、仕方ないでしょ。ワガママ言わないで!」と開き直られてしまった。どう言い返すか?

(A)「わかりました。どっちがワガママなのか車掌さんに聞いてみましょう」
(B)「何でもいいけど、別の場所に移動させるなり重ねるなりしてください」
(C)「ハハハ、こりゃ面白い。ワガママな人にワガママって言われちゃった」

正解は……

B

△ (A)「わかりました。どっちがワガママなのか車掌さんに聞いてみましょう」
◎ (B)「何でもいいけど、別の場所に移動させるなり重ねるなりしてください」
× (C)「ハハハ、こりゃ面白い。ワガママな人にワガママって言われちゃった」

解説

「袖すり合うも他生の縁」という言葉もありますが、昨今は「袖すり合う」ことが不愉快やトラブルの元になりがち。なるべく心穏やかに生きたいものですけど、そうもいきません。

 荷物が盛大にはみ出しているだけでなく、予想外の理不尽な言葉をぶつけられてしまいました。Cのように言ってやりたい気持ちにもなりますが、事態の解決にはつながらないどころか、ますます相手をヒートアップさせるでしょう。

 車掌さんに対応してもらうAか、毅然と抗議を続けるBか、どちらを選ぶかは「好みの問題」です。強いて言えば、とりあえずは自力で事態を切り開こうとしてみるBの方が、相手への怒りやイライラを小さく抑えられるでしょう。車掌さんが通りがかるのを待っていなくていいし。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール