韓国語を学びたいと思っても、最初の一歩でつまずいてしまう人は少なくない。ハングルを覚える前に心が折れたり、教材を開いてもすぐに手が止まったりすることもある。そんな初心者のつまずきに寄り添ったのが、『ゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生』(ハングルノート加藤・著)だ。「めちゃくちゃわかりやすい」と初心者を中心に圧倒的な支持を集め、韓国語の学習書としては異例のヒットになっている。今回は、著者のハングルノート加藤氏に韓国語のおすすめの勉強法について話を聞いた。(構成:照宮遼子)

【韓国語が超速で身につく勉強法】勉強を「毎日の習慣」に変えるシンプルな方法とはPhoto: Adobe Stock

1冊の学習書をやり込むことが、いちばんの上達法

――勉強していると、参考書の途中で飽きてきて、教材を変えたくなることも多いですよね。

ハングルノート加藤(以下、加藤):めっちゃわかります(笑)。でも、いちばん大事なのは同じものを何度もくり返すことなんです。

日本で出版されている韓国語の学習書は、どれも本当によくできています。

最初に選んだ1冊を、完璧に理解できるくらいまでに何度も読み返すと、語学力が身につくスピードがグッと速くなると思いますよ。

――確かに、途中で参考書を変えるより1冊をやり切ったほうが力になりそうですね。

加藤:そうなんです。内容をくり返すうちに、自然と頭に残っていくので、結局それが一番の近道になります。

日常生活の中で韓国語を伸ばす方法

――日常生活で韓国語の勉強を無理なく継続できるおすすめの方法はありますか。

加藤:韓国語を生活の一部にするのがおすすめです。たとえば韓国語の食品パッケージを見て、「김(キム)? これはなんて読むんだろう? どういう意味だろう?」と思ったら、実際にネットで調べてみる。
※「김(キム)」は日本語で「海苔」

Googleレンズなどの翻訳アプリを使うと、かざすだけで日本語訳が出てきます。わからない言葉を調べる習慣があるだけで、韓国語が生活の一部になっていきますよ。

――そうやって日常の中で韓国語に触れると、自然と語彙も増えていきそうですね。

加藤:はい。単語やフレーズに慣れてきたら、通勤や通学、買い物に行くときの移動時間に、「5分だけ目に入るものを全部韓国語で思い浮かべる」みたいなルールをつくってみるのもいいですね。

「空」を見たら「하늘(ハヌル)」「子犬」を見たら「강아지(カンアジ)」というような感じです。

【韓国語が超速で身につく勉強法】勉強を「毎日の習慣」に変えるシンプルな方法とはハングルノート加藤氏

学び方が自由な時代、自分に合う方法を見つけよう

――最近はオンラインや動画でも学べる環境が増えましたよね。

加藤:そうですね。今は教材も講座もとても充実していて、どんな学び方もできる時代です。初級レベルは独学でもクリアできる人は多いと思います。

――たしかに、最初のうちは独学でも十分できそうですが、ある程度学んだ段階で伸び悩む人はどうしたらいいでしょうか。

加藤:中級を目指す場合は、発音や勉強の進め方を一度プロにチェックしてもらうと早いです。

語学学校に通ったり、マンツーマンのオンライン授業などを活用するのもおすすめです。短期間でも十分なので、基本の型を教えてもらうとグッと伸びていきますよ。

韓国語初心者向けのブログ発信がきっかけで、出版が決まった

――ハングルノート加藤さんが運営する「ハングルノート」は初心者向けの韓国語学習ブログとして月間最高180万PVを超えるなど人気ですよね。ブログをきっかけに『韓国語1年生』の出版が決まったときは、どんなお気持ちでしたか。

加藤:めちゃくちゃ嬉しかったです。正直、編集者から声がかかったとき、「僕で大丈夫?」という驚きのほうが大きかったです(笑)。ブログで発信はしていましたけど、文章がうまいわけでもないし、やってきたのは初心者向けの発信ばかりでしたしね。

――出版後の反響はいかがでしたか。

加藤:一番グッときたのは「もっと早くこの本に出会いたかった」というコメントです。自分自身も「もし韓国語を学び始めた頃に戻れるなら、この本で勉強したい」と思える内容なので、読者の方からそう言ってもらえたのは本当に嬉しかったです。

「勉強」から「楽しむ」へ――広がる韓国語の魅力

――初心者に寄り添う姿勢は、ご自身の体験から来ている部分が大きいんでしょうか。

加藤:間違いなくそうですね。僕自身、韓国語の勉強を始めてから7~8年くらいほとんどしゃべれなくて、伝わらなくて悔しかったり、「もう話したくないな」と思ったりしたことが何度もあります。その感覚をこの本に詰め込んだからこそ、初心者に寄り添う一冊になったんだと思います。

――『韓国語1年生』は想像していた以上に、多くの方に手に取っていただけているようですね。

加藤:そうですね。『韓国語1年生』は勉強面だけでなく、旅行やカルチャーの情報も盛り込んでいるので、「学習」というより「韓国を楽しむきっかけ」になる一冊だと思います。

本気で韓国語を勉強したい人はもちろん、ちょっとだけ韓国語に興味がある人にも、ぜひ気軽に手に取っていただけたら嬉しいです。

(本稿は『ゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生』に関する書き下ろし特別投稿です)

ハングルノート加藤
韓国語ブログ「ハングルノート」管理人

1985年、愛知県生まれ。27歳のときに、韓国人女性と付き合い始めたことをきっかけに、韓国語の勉強を始める。最初の数年は、韓国語自体にさほど興味を持てず、韓国語がまったく身につかなかった。30歳のときに、ワーキングホリデーを利用して韓国国内の企業で就業(日本語で勤務)。32歳でWeb制作会社を起業。本格的に韓国語を学びたいと思い、35歳で韓国へ語学留学。梨花女子大学校、ソウル市立大学校、西江大学校で修学。37歳のときに、西江大学校語学堂6級を卒業。自身の勉強のメモ帳がわりにつくり始めたブログ「ハングルノート」は、開始8年で月間最大180万PV、60万UUを突破。「勉強のポイントがわかりやすい」「韓国のことがよくわかる」と評判に。韓国旅行YouTuberとしても活動し、人気を集めている。