Photo by Taizo Takei (Grupo Pico)
1000mを超える
垂直な断崖が連なる
Photo by Taizo Takei (Grupo Pico)
ベネズエラの首都カラカスから1時間ほどのフライトで、オリノコ川の河畔に広がる中都市、プエルト・オルダスに到着する。ここはギアナ高地の玄関口だが、この先は陸路が通じていないため、小型のセスナに乗り換える。
セスナの窓の下には、緑のジャングルが果てしなく広がっている。道路もなく、もちろん民家もない。低空飛行するセスナは、雲間に入る度に激しく揺れ、こんなところで不時着したらどうしようかと不安がよぎる。
1時間ほど飛んだころ、前方にテーブル状の山が見えてきた。森から垂直にそそり立つ断崖の上に、スパッと切られたような平坦な山頂。地球上とは思えない壮大かつ、不思議な風景である。
Photo by Taizo Takei (Grupo Pico)
ギアナ高地とは、ベネズエラ南東部からガイアナ、ブラジルの北部にまたがる、日本の本州ほどの面積を擁するエリア。その中心部の約3万平方キロメートルがカナイマ国立公園になっており、世界でも類を見ない希少な地勢などが評価され、ユネスコの自然遺産に登録された。
また、カナイマ国立公園内にはテプイと呼ばれるテーブル状の山(テーブル・マウンテン)が100以上存在しており、その独特な景観は、コナン・ドイルの小説『ザ・ロスト・ワールド(失われた世界)』で紹介され、世界的に知られることとなった。