米株式市場は今年に入り、何度も最高値を更新した。それでもなお世界の他の市場に後れを取っている。米国経済の成長見通しへの懸念の高まりと、貿易戦争が続いていることにより、より多くの投資家が魅力的な価格の株式を求めて米国外に目を向けている。実際、こうした海外株式は16年ぶりの大差で米国株を上回るペースで推移している。このパフォーマンスは過去10年間からの急転換を示している。この期間、米国株の堅調なリターンが新たな投資理論「アメリカ例外主義」を生み出した。これは、力強い経済成長、潤沢な利益率、最先端のテクノロジー大手企業により、米株式市場は投資家が資金を投じる地球上で最高の場所だという信念だ。先進国と新興国の株式を追跡するMSCIオール・カントリー・ワールド(除く米国)指数は、2025年に入ってからドルベースで約26%上昇している。これはS&P500種指数を上回る。同指数は年初来で15%上昇しており、このままいけば年間の騰落率は22年以来最も低くなる見通しだ。対照的に、韓国総合株価指数(KOSPI)は年初来で64%高、ドイツのDAX指数は22%高、日経平均株価は24%高、英国のFTSE100指数は18%高となっている。