「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」――そんなユニークなアプローチで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。発売以来、個人投資家の間で評判となり、多くの読者から高い評価が寄せられています。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超を運用した経験を持つ楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から本書のポイントをお伝えします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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チャートの「節」を見極める
株価チャートをじっくり観察していると、「あれ、いつもこのあたりで止まるな」と感じることがありませんか。
実はそれが、『株トレ』で窪田さんが強調する「チャートの節(ふし)」です。多くの投資家が「ここで一度売っておこう」「このあたりで買っておこう」と立ち止まる価格帯のことです。
この「節」が一度できると、上昇トレンドのときも下降トレンドの時も、その価格帯で売買が集中するようになります。

たとえば、上の図では、1,200円と1,500円付近が、「チャートの節」となっています。
株価が節の下から上がってくると、「上値抵抗線」となります。「買い値をやっと回復した。やれやれ、助かった」と思っている投資家たちが、戻り売りを出す価格帯です。
反対に、株価が上から下に落ちてくると、「下値支持線」となります。「ここまで下がったら買ってみよう」と押し目買いの目安として意識される価格帯です。
それでは、実際の『株トレ』に登場するチャートを見てみましょう。
チャートの節はどこにある?
A社とB社、あなたならどちらの株を買いますか?

どちらのチャートにも、2つの節があります。
チャートに線を引いてみましょう。

880円付近で、3回「十字足」が出現しています。
安値圏に出る「十字足」は、反発のきっかけになることがあります。ここが下値抵抗線として意識されています。
一方で、970円付近でも「十字足」が出現しています。
高値圏での「十字足」は、反落のきっかけになることがあり、実際その後に下げています。上値抵抗線として意識されています。
売買高急増とともに、株価はチャートの節を突破
では、B社のチャートに注目してみましょう。

B社のチャートは、直近で売買高が急増し、長い陽線をつけて節を突破しています。
おそらくマーケットに好材料が出て、それをきっかけに投資家たちが一斉に買いに動いたと考えられます。
また、過去に970円付近で買った投資家も、ひとたび買い値を超えて含み益を得ると「売らないでよい」という気分に変わります。
A社のチャートと比較すると、B社の方が買いの勢いが強まっているので、買うならB社を選ぶべきでしょう。



