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「無職になっちゃったの?」灘中学校・高校、東京大学、「GAFA」日本法人の1社を経てFIREを達成した筆者は、息子からこう問われて言葉に詰まったことがあります。“FIRE仲間”の娘さんが、小学校で「パパのようなニートになりたい」と衝撃の作文を発表したことも――。本稿ではFIRE達成者のリアルな親子関係と、脱サラ後も子どもと良好な関係を続ける方法を赤裸々に明かします。(作家・講演家 寺澤伸洋)
親は自由になるが
子どもは不安になる!?
経済的な自立と早期リタイアを意味する「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」が、人生の選択肢として広く認知されてきています。
ですが近年、FIRE達成後に、理想と現実の違いに戸惑う人がいることも知られるようになりました。FIRE達成後も幸せな生活を継続できるかどうかは「お金の問題」として語られがちですが、実はそれ以上に「生き方の問題」が深く関係しています。
自分ひとりの人生だと、株式の配当や不動産の家賃収入といった所得と支出のバランスを保ち、安定して生活できる目途が立ちさえすれば、好きなように生きていいかもしれません。ですが、家族がいるとそうはいきません。
特に多感な小学生や中学生くらいの子どもがいるFIRE達成者にとって、親の生き方の変化は子どもの心理に大きな影響を及ぼします。
筆者の働き方のビフォーアフター。FIREによって労働時間は激減した
親が会社を辞め、日中に家にいる時間が増える。この変化は子どもにとって「親がいつもそばにいてくれる安心感」となるのか、それとも「親が無職になった」という漠然とした不安となるのか。子どもがどう感じるかによって、理想としていたはずのFIRE生活も大きく変わってきます。
子どもは「親が毎日会社に行く」という日常を通じて、親が家計を支えていることを無意識のうちに感じとっています。ですから、いきなり親が無職になったと聞くと、彼らの心には「もしかして、お金が無くなっちゃうの?」「うちって貧乏になっちゃうんじゃない?」といった不安が生まれてくるのです。







