不登校の子どもが学校に行けない理由として、疲労というよりも不安や恐怖を訴える場合も少なくない。(写真はイメージです) Photo:PIXTA
文部科学省による2024年度の調査で、学校を1年に30日以上欠席して不登校とされた小中学生が過去最多の35万人を超えたことが発表されました。その数は12年連続で増加を続けており、いま、不登校はだれがなってもおかしくはないと、長年子どもたちをサポートしてきた明橋大二さんはいいます。明橋さんの著書『不登校からの回復の地図』(青春出版社)から、なぜ不登校になってしまうのか、どうしたら子どもたちは回復するのか、抜粋して紹介します。
心身の疲れでは説明のつかない不登校とは
不登校の状態には、大きく分けて2パターンあると、私は考えています。
ひとつは、オーバーヒート。この特徴は、疲労です。これは、心身の疲れが限度を超して、いわばオーバーヒートして、学校に行けなくなる、というものです。
2つ目に、不登校の子どもが学校に行けない理由として、疲労というよりも不安や恐怖を訴える場合も少なくありません。
オーバーヒートという考え方では、この不安や恐怖を訴える不登校をうまく説明できないと感じていました。そんなとき、この状態をとてもよく解き明かす、新たな理論に出合ったのです。
それがポリヴェーガル理論です。
ポリヴェーガル理論とは、アメリカの神経生理学者、ステファン・W・ポージェスによって、1994年に提唱された、自律神経系についての新しい理論です。







