米AI新興企業アンソロピックの人工知能(AI)研究者ジョシュ・バットソン氏がソーシャルメディアに費やす時間はもうほとんどない。最近、彼がそれに匹敵する知的刺激を感じるのは、職場のメッセージチャンネル「スラック」で同僚とやり取りする時だ。そこで彼は、同僚の大規模言語モデルやアーキテクチャーに関する理論や実験結果などを探っている。バットソン氏はAI分野の中核的な研究者・幹部グループの一員だ。人間の能力を超える知能を持つシステム「人工超知能(ASI)」を追求する、創造的破壊の果てしないサイクルに追いつくため、過酷な激務に直面している。シリコンバレーでも最大級のAI研究所にいるトップレベルの研究者や幹部は、週80~100時間働くのが普通だ。取材した複数のトップ研究者は、この状況を戦争に例えた。