「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」――そんなユニークなアプローチで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。発売以来、個人投資家の間で評判となり、多くの読者から高い評価が寄せられています。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超を運用した経験を持つ楽天証券の窪田真之さん。この記事では編集担当の視点で、本書で語られる「勝てるチャートの見方」の一部を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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株価チャートには「節」がある
『株トレ』の著者である窪田さんは、株価チャートに現れる「節(ふし)」に注目し、その重要性を解説しています。
「節」とは、多くの投資家が立ち止まり、売買を行う価格帯のこと。上値抵抗線や下値支持線として意識される重要なポイントです。
チャートの「節」
ひとたび節が形成されると、上昇トレンドのときも下降トレンドのときも、その価格帯では売買が集中し、株価がなかなか一気に通過しにくくなります。
つまり、節は相場の「分かれ道」であり、投資家心理が凝縮されたポイントなのです。
チャートの「節」を見抜く
では、『株トレ』に掲載されているチャートを見てみましょう。
次のA社の株価チャートを見てください。

このチャートにも「節」が隠れています。
チャートに線を引いてみましょう。

590円付近では、過去に2度株価が跳ね返されており、上値抵抗線として意識されていることがわかります。
以前にこの価格帯で株を買った投資家が「ようやく買値まで戻った、助かった」と思って戻り売りを出すため、上値が重くなります。
これが「上値抵抗線」が生まれる仕組みです。
抵抗線を抜け、上昇が加速
ところが直近の動きを見ると、3度目の上値トライで上値抵抗線を突破しました。
売買高を伴い、長い下ヒゲのついた大陽線が出ています。
売買高の増加は、それだけ新たに買いが入っている証拠です。
長い下ヒゲの大陽線は、「一時的に下げても、すぐに買い戻された」強い買い圧力を示しています。
こうした動きを総合すると、上昇トレンドが加速する可能性が高いと判断できます。
実際に、その後のチャートは次のように推移しました。

このように、「節」や「売買高」に着目することで、株価が上がりやすい局面と上がりにくい局面の違いが、チャートから読み取れるようになります。



