知り合いの華僑富豪は「誰にも借りを作るな、貸しを作れ」を人生哲学に、貧しいボートピープルから様々な苦労を乗り越えて、最終的には大きな富を手に入れました。これは、成功者となってからも、ますます威力を発揮する「富の法則」なのです。

 第1回「日本人の多くが『大富豪』になれない理由」でもお話ししたとおり「ギブ・アンド・テイク」(まず、与えよ)には、「見返り」を期待してはいけません。ましてや、「これでキミに貸しを作ったからね」なんて言うのは本末転倒です。また、友人達に食事や酒をごちそうすることでもありません。

 困っている人の役に立つことに喜びを見出してください。

 あなたは自分のできる範囲内で「たいしたことがない」ことをしたつもりでも、相手はそのことを覚えています。これが本当の親切です。少なくとも、あなたのことを好意的な印象で覚えていることになります。そうすると、あなたに対して「いつか、必ず役に立ってお返ししたい」という気持ちが出てきます。

本当の親切はいつか必ず
自分へと返ってくるもの

 これを積み重ねていくと、必然的にあなたには良いことがめぐりめぐってくるのです。そして、あなたは物質的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさをも手に入れます。

 大切なことは「今、こうやって貸しを作っておけば、将来、何倍にもなって返ってくる」という下心がないこと。決して、相手に「あの時、助けてやっただろう」と恩着せがましく言ってはいけません。そのような言葉を口にしたとたん、あなたのこれまでの「徳」が水の泡になってしまいます。

 欧米では、昔から才能がある芸術家や音楽家に金持ちのパトロンがついて経済的に援助しました(ご注意:ここでいうパトロンは肉体関係がある提携ではありません)。そして、その音楽家や芸術家が大成したら、優先的に作品をもらったり、ロイヤリティーの一部をもらったりして「不労所得」にしていました。もちろん、もともと金持ちなのですから、お金が目当てではなく、どちらかというと無名の才能ある新人を自分が発掘したという「プロデューサー的な喜び」のほうが強かったと思われます。

 さて、実際に世界の富める男達と小金持ちの違いをご説明しましょう。

 ある都市に2人の金持ち(AさんとBさん)がいました。2人とも、芸術家が集まるおしゃれな地区に現在は空室になっている1LDKのマンションを所有していました。そこに、知人の紹介でまったく無名の芸術家と知り合いました。若くて無名の新人は、その芸術家が多く集まるおしゃれな地区でアパートを借りるお金がありません。

 そこで、まずAさんが自分の1LDKのマンションを提供しました。「このあたりの相場は20万円だけど、キミには10万円で貸してあげよう」と言いました。芸術家がAさんの会社に部屋の鍵を取りに来ると、予告もなしに「ちょっと、私と家族のポートレートをカンタンに描いてくれないか? その次はここにいる親戚と、そうそう、このペットのイラストを頼むよ」と、しっかり差額の10万円分を取る行為をしました。