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クマ対策で自衛隊が派遣される方針ですが、抜本的な対策になるのでしょうか?クマの繁殖力を踏まえて、頭数と分布域のデータを見ると驚きの事実が判明しました。頭数が年間平均約14.3%も増えている県、生息域が全国で最も拡大している地域はどこか、見ていきましょう。(トライズ代表 三木雄信)
クマ対策で自衛隊が動き出すも
抜本的な駆除につながるのか?
小泉進次郎防衛相が10月28日、自身のX(SNS)に「秋田県における人的被害は多数にのぼり、クマの目撃情報も県全土にわたるなど、深刻な状況です」「国民の命と平和な暮らしを守り抜くという責務を果たすため、防衛省・自衛隊としても、対処していく考えです」などと投稿しました。
というのも同日、秋田県の鈴木健太知事が、クマ対策に自衛隊の派遣を正式に要請。陸上自衛隊の関係者らが秋田県庁を訪れ、派遣後の具体的な任務や役割分担について協議を行いました。
自衛隊によるクマ対策が進むのは喜ばしい一方で、自衛隊が担う役割は、あくまでも緊急的な対症療法になりそうです。現段階ではクマの殺傷は想定しておらず、後方支援などを検討しているとのこと。
クマによる犠牲者をこれ以上増やさないためには、より抜本的な対策を行う必要があるはずです。実は、クマの頭数や分布域(生息域)は公表資料から確認が可能です。それらを丹念に分析すると、「クマは放っておけば自然に増える」ということは明確。つまり、駆除をしないと、抜本対策にはならないのです。
ヒグマは、2~3年おきに1~4頭(多くの場合2頭)の子も出産するとされています。ツキノワグマは、数年おきに1~2頭の子を出産します。つまりヒグマもツキノワグマも年間20%程度の繁殖力があることが、さまざまな研究結果から明らかになっています。







