結果よりもプロセスを大事にしたい

瀬戸 以前、経営に重要なことは愛だと思うと新先生が仰ったんです。正直、愛という言葉はなかなか恥ずかしくて言えないのですが、それを新先生が堂々と仰っていたのが印象的でした。何十年というご経験があって、たどりついたことが「愛」ですから、偽らざるものだと感じました。

 日本人は愛やら理念やらが大事だというと、きれいごとだと思いがちだし、買収や合併ということにもあまり印象がよろしくない。しかし健康コーポレーションのここまでの飛躍はM&Aがなければ無理でしたよ。

 会社の伸び方は2つあります。1つはオーガニック・グロース。つまり自前成長です。今の人員や組織を前提に改善しながら伸びていくケースですね。ですがこれで伸びるのは1桁、よくても2桁の前半でしょう。それ以上に伸びたいならば、オーガニック・グロースに加えてノン・オーガニック・グロース、つまり非自前成長に取り組まなければいけません。こうした判断が冷静にできることも経営者として重要です。

瀬戸 厳しい判断も原理原則に基づいて選択していけば、すっと腹落ちできます。

 サムシング・ディファレンスでなければ新しい結果は生まれません。新規事業の立ち上げもそうですね。パーソナルプライベートジム「RIZAP」などはその最たるものでしょう。

瀬戸 ありがたいことに月商3億円まで伸びました。しかしそれは結果であって、それ以上に大事なのはプロセスだと思うんですよ。

 例えば我々は「RIZAP」を日本一のジムにするという目標を掲げていますが、なれる・なれないはやってみないとわからないわけです。

 ですが、たとえ無理だったとしても、志があって本気でやっていれば、そこに本当に熱い人たちが集まってきてスト―リーが生まれます。そのプロセス自体が宝物だと僕は思いますし、プロセスを楽しみたいんですね。目標は手段でしかないと思っているので。