トランプ米政権による最近の石油制裁は、西側諸国にとってのジレンマを再燃させている。自国の経済に悪影響を与えずに、いかにしてロシアの戦争資金を痛めつけるかという問題だ。先週、ロシア最大の石油生産企業2社であるロスネフチとルクオイルに制裁を科した後も、米国はロシアの石油輸出を締め付けるための手段をまだ持っている。ロシアの影の石油タンカー船団のブラックリスト掲載から、他国(中国やインドなど)の銀行、トレーダー、製油会社に対する二次制裁の活用まで、その範囲は広い。しかし、世界有数の石油生産国に対してこれら全ての措置を実施すれば、供給ショックを引き起こし石油価格を押し上げるリスクがある。ドナルド・トランプ米大統領の関税政策がインフレ動向に不確実性をもたらし、中間選挙シーズンが迫る中、ロシア政府を締め付けることは米国政府にとって特に危険を伴う。
米国のジレンマ再び、対ロシア石油制裁
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