オルカン投資の次に知っておきたい…資産形成を加速させる「最後のピース」とは?
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!
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パッシブ投資の「次」へ進むカギとは?
投資で効率的に資産を増やすための秘訣は、「分散」「レバレッジ」「目利き」の3つです。ここでは、「目利き」について深掘りしていきます。
三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)などのグローバル分散・パッシブ投資が投資の基本ですが、これに加えて「目利き」が身につけば、投資の選択肢はさらに広がります。
「目利き」がレバレッジ効果を最大化する
そこで次は、許容できるリスクを念頭に置いたうえで、株式中心の分散投資の資産配分を考えてみましょう。それぞれの資産に投資するとき、より大きなリターンを期待できる投資対象(株式・ファンド)を選定(=目利き)することを目指します。
勝率の高い資産・投資対象の組み合わせが構築できたら、適切な範囲内でレバレッジをかけることも視野に入ってきます。
それによりそれぞれの投資額のサイズを正比例で大きくすることで、投資の成果を加速させることができるでしょう。そのための最後のピースが「目利き」なのです。
再現性を求めて:「どの株を買うか?」の前に
これが最後にして最も難しい部分でもあります。まぐれ当たりではなく、なるべく再現性の高い「目利き」の力を身につけるための考え方をここからお伝えします。
誰しも投資というと、「どの株を買えばいいか?」といったことを気にしがちです。
これに対する私の回答は、「株を選ぶのは簡単ではなく、労力もかかるので、まずは投資資金の半分くらいをオルカン中心に長期投資しておいてください」ということです。
基本ポートフォリオから、個別株への挑戦
その延長で、日本の年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオのように4資産均等型を取り入れ、株式と債券の割合を調整する工夫をするのもいいでしょう。
さらにより工夫する余裕がある場合は、株と債券への資産配分をベースにしつつも、株式投資の一部はグローバル分散・パッシブ投資だけではなく、個別株投資にチャレンジしてみてもいいと思います。



