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小学校受験対策として富裕層の家庭は、行事に熱心に取り組んでいる。有名私立入試では、考査や面接で「季節の行事」に関して問われることが多いからだ。しかし、彼らが“行事に本気”なのは、受験対策だけが目的ではない。季節行事が、富裕層の家庭にもたらす意義とは何か。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)
真の富裕層は
季節行事に驚くほど本気
私は執事として、これまで数多くの富裕層のご家庭にお仕えしてまいりました。そこでは日常の生活サポートにとどまらず、家庭内の教育方針や文化形成にまで深く関わることがあります。
富裕層のご家庭においてとりわけ印象的なのは、有名私立小学校の受験を控えたご家族が、数多くの季節の行事を驚くほど本気で、丁寧に、まるで宗家の儀式のように行う姿です。
お正月、節分、ひな祭り、子どもの日、七夕、お月見、七五三……。
年間を通して二十を超える行事を欠かすことなく、全てに意図と意味を持たせながら実施します。それは、単なる伝統文化の継承ではなく、家庭教育の戦略であり、さらには小学校受験のための合理的な実践でもあるのです。
季節の行事が
受験対策に直結する理由
有名私立小学校の入試では、子どもの知識や学力だけでなく、「家庭の文化水準」「教育方針」「親子の関係性」といった目に見えない要素が重要視されます。
その中でも特徴的なのが、「季節の行事」「自然の移ろい」「生活文化」に関する出題が多いという点です。







