株価が史上最高値を更新する今、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、お金の「戦書」である『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。そして今回、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』がついに日本上陸。この世界的ベストセラーは、6つの資産レベルに分けた「富の階段」で、お金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」を説いたお金の「戦書」だ。今回はスコット・ギャロウェイも絶賛する最新刊の一部を抜粋・編集し、特別配信する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【JUST KEEP BUYINGの著者が語る】「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」との声も届く「お金の戦術書」と50年以上・数万世帯のデータから導き出された「お金の戦略書」との決定的な違いとは?Photo: Adobe Stock

日本は「ルール」を重んじる社会

 日本の経済状況も、アメリカと同様、ここ数年で劇的に変化した。

 今世紀最高のインフレ率を経験しただけでなく、新NISA(少額投資非課税制度)が導入されたことで、日本人にとって投資の魅力がはるかに高まった。

 このような状況では、変化する経済状況に合わせて資産を形成しようとしている日本人にとって、本書『THE WEALTH LADDER 富の階段(ウェルス・ラダー)』は極めて重要な意味を持つものになる。

 私は2024年11月に初めて日本を訪問し、いくつかの大きな学びを得た
 まず、日本はルールを重んじる社会であるということだ。

 これらのルールの多くは、明文化されているか否かにかかわらず、大勢の人に守られており、それが社会の結束感を育み、日本人の生活を向上させている。

 私はこれが、『JUST KEEP BUYING』が日本で20万部を突破するベストセラーとなった大きな理由だと考えている(全世界で46万部を突破したが、日本で最もよく売れている)。

『JUST KEEP BUYING』は、「投資のルール」を示した本だからだ。
 ぜひ、同書の【巻末プレミアム】にある、「『ジャスト・キープ・バイイング』21の黄金ルール」を読んでいただきたい。

 とはいえ、ルールに従うことは出発点にすぎない。
 何事も経験を積むに従い、ルールを超えて上達できる。

日本で学んだ「守破離」のステップ

 ここで、私が日本への旅行中に学んだもう1つの重要な概念である「守破離」、すなわち習熟までの学習段階について触れたい。

 守破離の最初の段階である「」では、ルールに従って行動する。
 これは『JUST KEEP BUYING』にも該当する。

 同書では、過去100年以上にも及ぶ信頼性の高いデータに基づき、何をすべきか(そしてその理由)を説明した。
 これは、パーソナル・ファイナンスを学び始めたばかりの人にとって極めて心強いアプローチになるだろう。

 しかし、こうしたルールに従うだけでは限界があることも事実だ。
 そこで登場するのが、守破離の第2段階である「」だ。

「破」の段階では、従来のルールを脇に置き、変化する環境に適応する方法を見つけていく。『THE WEALTH LADDER 富の階段』の構想も、これと同じ考えに基づいている。

2つの本の「決定的な違い」とは?

『THE WEALTH LADDER 富の階段』では、50年以上にわたる数万世帯のファイナンス情報から導き出された「シンプルな戦略」と「落とし穴」を収録している。

 今回のデータは50年分だが、その分濃密だ。

 私は、資産形成の正しいアプローチは、固定的で変わらないルールを提供することではなく、長く変化に富んだ人生を通じて頼りになる“堅牢なフレームワーク”を設計することだと気づいたのだ。

 このフレームワークこそ、6つの資産レベルに分けた「富の階段(ウェルス・ラダー)」というものだ。

 各資産レベルでは、お金の使い方から、稼ぎ方、投資法まで様々な戦略が変わってくる

レベル1(資産1万ドル〈約150万円〉未満)――生存戦略
レベル2(資産1万ドル〈約150万円〉以上~10万ドル〈約1500万円〉未満)――教育&スキル戦略
レベル3(資産10万ドル〈約1500万円〉以上~100万ドル〈約1億5000万円〉未満)――投資戦略
レベル4(資産100万ドル〈約1億5000万円〉以上~1000万ドル〈約15億円〉未満)――起業戦略
レベル5(資産1000万ドル〈約15億円〉以上~1億ドル〈約150億円〉未満)――事業拡大戦略
レベル6(資産1億ドル〈約150億円〉以上)――資産防衛戦略

 各レベルは10倍で区切られている。
 次の図表は、これらの資産レベルとそれぞれの資産総額を示したものである。

【JUST KEEP BUYINGの著者が語る】「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」との声も届く「お金の戦術書」と50年以上・数万世帯のデータから導き出された「お金の戦略書」との決定的な違いとは?

 たとえば、レベル1は資産が1万ドル(約150万円)未満、レベル2は資産が1万ドルから10万ドル(約1500万円)未満の人が該当する。それ以降も同様である。

 実は、前著『JUST KEEP BUYING』は、富の階段のレベル2~3にいて、レベル3~4に到達したい人向けに書かれたものだった。
 つまり、『JUST KEEP BUYING』はレベル2~3向けの「戦術書」ということになる。

 その意味で、『JUST KEEP BUYING』は『THE WEALTH LADDER 富の階段』の戦略の1つなのだ。

 これが2つの書籍の決定的な違いとなる。

『THE WEALTH LADDER 富の階段』は私のパーソナル・ファイナンスの考え方についての「新たな段階」を示している。

 私自身と同様、このフレームワークが日本のみなさんの資産形成の道のりに役立つものになることを心から願っている。

(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』の一部を抜粋・編集して構成したものです)