日経平均は史上最高値を更新したが、食料品の値上げが相次ぎ、その数、3000品目超。実質賃金は8か月連続で減少した。そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、お金の「戦術書」である『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著)だ。そして今回、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』がついに日本上陸。この世界的ベストセラーは、6つの資産レベルに分けた「富の階段(ウェルス・ラダー)」で、お金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」を説いたお金の「戦略書」だ。スコット・ギャロウェイ(お金の「哲学書」として話題の『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する最新刊の一部を抜粋・編集し、特別配信する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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塩ほどおいしさを引き立てるものはない
私は初めて料理を習ったとき、塩はスパイスのようなものだと思っていた。
食べ物にコショウやパプリカパウダー、チリパウダーを加えるのと同じように、塩を加えれば風味が増すと考えていたのだ。
しかし、後になってそれが間違いだと知った。
塩はスパイスではなく、ミネラルだ。食べ物に与える影響も、スパイスとは違う。
スパイスは食べ物に新たな風味を加えるが、塩はそうではない。
塩はその食べ物が本来持つ風味を引き立てる。
シェフのサミン・ノスラットが著書『4つの要素がわかると料理は最高に美味しくなる SALT FAT ACID HEAT 塩、油、酸、熱』(世界文化社)で述べているように、「塩は他のどんなものより風味に大きく影響する。塩は食材の風味を高める」のだ。
塩は食べ物本来の味を引き出す。
塩がなければ、私たちが食べるものは味気ないものになるだろう。
塩があれば、食べ物の風味がイキイキしてくる。
食べ物の世界で、塩ほどおいしさを引き立てるものはない。
塩が食べ物にもたらす効果は、お金が私たちの人生にもたらす効果と同じだ。
お金がなければ、人生は味気なく、限られたものになるだろう。
わずかなお金で、人生がはるかに楽しくなることがある。
たとえば、友達と音楽を聴くのが好きなら、一緒にコンサートに行けばもっと楽しいのではないだろうか。
テレビでテニス観戦をするのが好きなら、全米オープンを会場で観戦するのはもっと楽しいだろう。
国内旅行が好きなら、海外旅行はもっと楽しいだろう。
「お金」と「塩」の意外な共通点とは?
お金があれば、あらゆる経験が向上するわけではない。
それでも、多くの経験を向上させることはできる。ただし、塩と同じく、お金にも限度がある。
お金に執着しすぎると、人生の他の側面が台無しになりかねない。
塩を使いすぎると、せっかくのおいしい料理が台無しになってしまうのと同じだ。
何より、お金や塩があるだけでは意味がない。
お金があっても、友人や家族、人間関係、健康、時間、人生の目的が何もなければ、一体どんな意味があるというのだろう?
それは、お皿にいっぱいの塩があるのに、一緒に食べるものがないようなものだ。
ポイントは、お金も塩も、まわりに何かがあることで初めて価値を持つということだ。
したがって、この世界が与えてくれる、お金以外の富で人生を築かなければ、富の階段を登っても無意味になってしまう。
なぜ「お金以外の富」に目を向けるべきなのか?
言ってみれば、ここまで本書では、「どうすればもっと多くの塩を得ることができるか?」という問いに答えようとしてきた。
しかし、これ以降は、もっと大きな問いに目を向けなければならない。
つまり、「何に塩を加えればいいのか?」だ。
そのためには、お金以外の種類の富について考える必要がある。
これらの富の種類には様々なものが考えられるが、ここでは起業家でありクリエイターでもあるサヒル・ブルームが提唱した次の5つを紹介したい。
・経済的な富
・社会的な富
・精神的な富
・身体的な富
・時間的な富
経済的な富についてはすでに本書で説明してきた。
本書では、他の4種類の富と、富の階段を登る際にそれらについてどのように考えるべきかについて深く考察した。ぜひ参考にしてほしい。
(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段 ── 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』の一部を抜粋・編集して構成したものです)










