あなたがチャートを見つめているその瞬間、プロは何を考えているのか?『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』は、その思考をクイズ形式で体感できる一冊です。発売以来、投資初心者からベテランまで、熱烈な支持を集めています。著者は、日本株のファンドマネジャーとして2000億円超を運用してきた楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書に登場する「勝てるチャートの読み方」を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
「上がっているから買う?」「上がりすぎて怖い?」――迷う瞬間にプロはどう判断するのか?
株価がぐんぐん上がっている銘柄を見て、「勢いがあるから、今こそ買い時だ!」と考えますか?
それとも「いや、もう上がりすぎて危ない」と考えますか?
この判断は、常に迷うものですよね。では、何十年と相場に向き合い、数えきれないほどのトレードを実行してきた株のプロは、どう考えるのでしょうか。
窪田さんは『株トレ』の中で、次のように書いています。
「私が最も信頼している買いシグナルは『急騰の初動』です。長らく売買高が少なく値動きが乏しかった銘柄で、突然、売買高が急増して急騰したところが、最も信頼できる買い場です」(『株トレ』より)
つまり、「じわじわと上がっている株」よりも、「動かなかった株が動き出した瞬間」に注目すべきだということです。
チャートで見る「急騰の初動」とは?
では、本書で紹介しているチャートを見てみましょう。
次のように、上昇している3つの銘柄があります。
あなたなら、A~C社のうち、どの株を買いますか?
『株トレ』より
『株トレ』より
『株トレ』より
A社のチャートを見ると…
A社のチャートは、上昇トレンドが始まったばかりの状態です。
これまでほとんど動かなかった株価が、売買高を伴って上昇しはじめた。まさに「急騰の初動」と呼べるタイミングです。
この段階で買い、上昇トレンドが続く限り保有し続けること。それが、窪田さんの推奨するチャート活用の基本です。
B社とC社のチャートは…
B社やC社も、半月ほど前はA社と同じようなチャートでした。売買高の増加とともに株価が急騰し、その時点では、絶好の買い場だったでしょう。しかし、今となっては状況が変わっています。
B社はすでに売買高が減り、人気が落ち着いています。C社は短期間で上昇しすぎて過熱感があり、高値警戒が必要な局面です。



