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日銀10月会合、利上げ見送り
高市新政権への配慮か?
日本銀行は、10月30日の金融政策決定会合で利上げを見送り、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%で据え置くと決めた。
今年の1月24日に0.5%に引き上げて以降、利上げ先送りが続いている。
その理由として、アメリカの関税政策の影響が表れるのが想定より遅れているため、経済データをなお見極める必要があることが挙げられている。
一方、市場は日銀と高市新政権との関係を注視している。高市首相は、自民党総裁になった10月4日の記者会見で、金融政策の責任を持つのは政府だと発言していることから、今回の利上げ見送りは、高市政権への配慮の結果ではないかとの懸念がある。
植田和男総裁は30日の決定会合後の記者会見で、利上げを見送った理由について、トランプ関税による海外経済などの不確実性がなお高いことなどを挙げ、「企業収益への下押し圧力があり、企業の賃上げなどの動きが途切れることがないかもう少し確認したい」と説明した。
そして高市政権との関係については、「常に連絡を密にする必要がある。これまで同様、十分な意思疎通を図りたい」「法律的に(日銀の)独立性はきちんと担保されている」とし、「来春闘に向けた初動のモメンタムがどうなるか、納得がいけば、政治状況にかかわらず金利を引き上げていく」と述べた。
金融政策運営についても、「経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調節する」と従来の利上げ路線を改めて示し、2%物価目標実現の「確度が少しずつ高まってきている」「見通しが実現していけば、政策金利を引き上げていく」とも述べた。
だが現在の日本経済の状況を客観的に見れば、すでに今、利上げが必要な状況だ。







