忘年会や新年会の幹事になったら、何に気をつけなければいけないのでしょうか? 関係者に好印象を与え、評価を高める幹事の振る舞い方とはどのようなものでしょう。
コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』の著者・田中耕比古氏に、具体的な解決策を教えてもらいました。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

【忘年会・新年会】「気の利いた幹事」の特徴ベスト1Photo: Adobe Stock

必要情報を漏れなく正確に伝える

 忘年会などの幹事を務めることは、各方面に顔を広げる絶好の機会です。

 幹事は、普段あまり話さない人達に対して、事前調整や情報共有などで、コミュニケーションをとる必要があります。

 また、受け身で動くのではなく、自分から能動的に対応することが求められますので、指示待ちの姿勢ではうまくいきません。

 せっかく幹事を引き受けたからには、関係者に好印象を与えておく方が、忘年会等のイベントが終わった後の、普段の仕事において「良い効果」が期待されます。

 気の利いた幹事として、そつなく振る舞うために最も重要なのは、必要情報を漏れなく正確に伝えることです。

 忘年会や宴会には開始時間や会場規約などの「決まり事」「制約」があります。こうした情報の整理が甘いと参加者が混乱してしまい、会の運営に支障をきたします。

 幹事としての情報伝達の基本は、「相手の関心の大きい順」と、「当日の行動の順」で情報を整理することです。

 最初に【日時/場所/会費】の三点をはっきり示します。

 次に、行動の流れを「現地への行き方→会場での注意→会費の徴収方法」の順で並べます。

 たとえば、会場案内は地図リンクに加えて最寄り駅や出口番号、徒歩分数などの情報もあると喜ばれるでしょう。

 また、注意事項として、アレルギーや禁煙・分煙の取り扱いなどを簡潔にまとめておきます。

 会費については、金額、支払い方法(現金・QR・事前振込)、釣り銭の有無などを明記します。

 予算と人数に合わせた会場探し、移動方法の案内、会費の割付と回収など、幹事の仕事は幅広いですが、いずれも「整理して、構造化して、順番で伝える」ことでミスを減らせます。

 幹事は当日の場を回すだけでなく、その活動を通じて社内の人間関係を育み、信頼を積み上げることができる役割でもあります。

 相手、すなわち参加者の目線に立ち、必要な情報を必要な順で届ける――この基本を守るだけで、参加者の不安は減り、あなたの印象は確実に良くなります。

(本記事は『コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』の著者・田中耕比古氏への取材をもとに作成しました)