「一生懸命に考えたのに、思ったように伝わらない」「焦りと不安から自分でも何を話しているかわからなくなってしまう」…。言っていることは同じなのに、伝え方ひとつで「なんでこんなに差がつくんだろう」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
コンサルタントとして活躍し、ベストセラー著者でもある田中耕比古氏の著書『コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』から、優秀なコンサルが実践する「誰にでもできるコミュニケーション術」を本記事で紹介します。

事前に「台本」をつくる。
「トークスクリプト」という用語を聞いたことはないでしょうか?
スクリプトとは、英語で「台本」という意味です。話すための台本、会話の流れをあらかじめ設計した台本、と理解していただければ良いでしょう。
◎この商品の強みを聞かれたら、それを説明する前に、逆に「いま、お使いの商品に対する不満はないですか」と聞いてみよう。
◎価格に関する質問をされたら、この資料のこのページを見せて説明しよう。
◎導入するかどうか決め手に欠くという顔をされたら、この会社の事例を紹介して背中を押そう。
などというように「台本を練って、話す内容を決める」わけです。
優れた営業は、こうしたトークスクリプトを何本も用意しています。
それを活用しながら、目の前の相手の表情や言葉遣いの変化を見逃さず、微調整を繰り返して相手の懐に入り込んでいくのです。
「型」を持ちながら、その「型」には縛られ過ぎない。
これが、コミュニケーションの極意です。
ドラマや舞台で演じている俳優さんを想像してみてください。台本通りに演じるのは、大根役者です。
名俳優は台本の流れに沿いつつ、そこに感情を込め、間合いをはかり、場合によってはアドリブを加えて視聴者や観客の心をつかみます。
台本のように、ふだんのコミュニケーションでも型を持っておけば、安心できます。
型を守っていれば、及第点は取れます。
だからこそ、相手からの質問や、相手の反応を楽しむ余裕がでてきます。
営業に限らず、ありとあらゆる仕事、ありとあらゆる場面で、「型を持つことで生まれる余裕」が良い効果を生んでくれます。
(本記事は『コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』の一部を抜粋・編集したものです)