今回の取材先は霞が関の警察庁……ドキドキ

 インタビューの場所は霞が関の合同庁舎。入口左側の柱には「警察庁」と「国家公安委員会」のいかめしい看板が並んで掲げられている。右側の柱には「総務省」の看板。何も悪いことをしていないのに、「警察」の文字を見ただけでビビる。大丈夫だ、落ち着けフェル。ドキドキと心拍数が上がる(後でAppleWatchを見たら心拍数は100を超えていた。平常時は55程度だ)。

「チャリだからいいでしょ?」はもう通用しない…自転車に青切符が導入される“本当の理由”とは今回の取材場所はこちら。緊張する……。ここから先は、写真を撮ることを許されなかった Photo:Diamond

 身分証明書を提示してIDカードを受け取り、セキュリティゲートをくぐる。玄関の中は高い吹き抜けになっている。館内の撮影は会議室内を含め禁止されている。

 会議室に案内される。部屋の壁面には大きな鏡が据えられている。鏡の裏側には複数の検査官が座り、我々を監視しているに違いない……と思いながら部屋に入ったのだが、部屋のどこにも鏡は見当たらない。ごく普通の会議室だ。部屋の中央には、微笑んで座っている穏やかな顔つきの男性が一名。それが池田雄一警視だった。

 およそ警察官僚のイメージとは程遠い、ソフトな印象の方だ。「はじめまして、よろしくおねがいします」と名刺を交換する。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):自転車のお話を伺う前に、まず「警察庁」という組織について教えてください。そもそも警視庁と警察庁の違いを分かっていない人も多いと思います。