米投資会社ブラックストーンは、失敗に終わった高齢者住宅向けの18億ドル(約2756億円)の大型投資案件の清算を進めている。同社に6億ドル超の損失をもたらし、ここ数年で行った最悪の投資の一つになるとみられている。ブラックストーンは米国各地で個別取引を通じて、約9000ユニットの高齢者住宅ポートフォリオを売却。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が公的な記録を分析したところ、中には購入価格と比べて70%超のマイナスで売却しているケースもあった。高齢者住宅を巡るブラックストーンの戦略は、同社が手掛けるほぼ全ての主要不動産投資で使用され確立されている手法に依存していた。ブラックストーンはこれまでも、改善可能な割安物件の購入を目指し、数年後に大幅なプラスで売却することを狙ってきた。このやり方は社内では、「買って、直して、売る」アプローチとして知られている。