女性の面接官写真はイメージです Photo:PIXTA

一見よさそうに思える「フルリモートOK」「若手が成長できる環境」といった、求職者へのアピール。しかし、こうした会社の雰囲気を前面に打ち出す企業ほど、入社後のミスマッチや早期離職が起こりやすい。自社と本当に合う人材が見つかる、正しい採用のあり方とは?※本稿は、秋山 真『これまでと同じ採用手法で大丈夫なのか?と悩んだときに読む 採用の新基準』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。

就活生の希望と一致したのに
離職率が下がらない…

 事業マッチ(編集部注/企業は強いビジネスモデルの魅力で働き手を集め、求職者は求人広告や合同説明会、ナビサイトなどを通じて自分に合う企業を探す、事業を軸にしたマッチングのあり方)、カルチャーマッチ、スタイルマッチ(編集部注/ビジネスプランや雰囲気ではなく、価値観が一致した採用)の違いについて各方面で説明させていただく機会がよくあるのですが、違いがわかりにくい、あるいは混同されやすいと感じているのが、カルチャーマッチとスタイルマッチです。

「当社はフルリモートOKです」
「若手でも成長できる環境です」
「風通しがいいですよ」

 こんな言葉を、企業の採用ページや説明会でよく耳にします。

 これらはすべて、いわゆる“カルチャーマッチ”に関する訴求です。いい換えれば、「どう働くか」にまつわる情報。

 リモート制度の有無、裁量の大きさ、働きやすさ、人間関係の雰囲気……。どれも、就活生や転職希望者が気になるポイントではありますが、この情報だけで「この会社、自分に合っていそう」と思うのは、早計といえるでしょう。

 なぜなら、カルチャーだけでは“本質的な相性”は測れないからです。