「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」――そんなユニークなアプローチで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。発売以来、個人投資家の間で評判となり、多くの読者から高い評価が寄せられています。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超を運用した経験を持つ楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から本書のポイントをお伝えします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株価チャートに隠れた「急騰のサイン」を見抜くたった1つのポイントPhoto: Adobe Stock

株価と売買高をセットで見る

 窪田さんは、本書の中で、チャートを見る際には「売買高の変化」に注目することが重要だと強調しています。

「売買高が急増しているということは、何らかの情報にもとづいて『ヨッシャー!』と、買い始めた投資家がたくさんいると思われます。その流れについていくべきです」​(『株トレ』より)

 しばらく横ばいだった株価が急に上昇し始め、同時に売買高も増えている。こんなときは、好材料に反応した投資家が一気に買いに来ている可能性が高いというのです。

 一方で、株価が上昇しているにもかかわらず、売買高が増えていない場合は注意が必要です。その上昇は短期的な仕掛けや一時的な思惑によるもので、長続きしないケースが多いからです。

どのチャートの株を買う?

 それでは、『株トレ』に掲載されているチャートを見てみましょう。

 次の3つの株価チャートを見て、あなたなら、どの株を買いますか?

株価チャートに隠れた「急騰のサイン」を見抜くたった1つのポイントA社のチャート(『株トレ』より)
株価チャートに隠れた「急騰のサイン」を見抜くたった1つのポイントB社のチャート(『株トレ』より)
株価チャートに隠れた「急騰のサイン」を見抜くたった1つのポイントC社のチャート(『株トレ』より)

A社とB社のチャートは…

 A社は2月初旬に株価がわずかに上がったものの、売買高はほとんど増えていないので、今後の大きな値動きは期待しにくいでしょう。

 B社は、何らかの好材料に飛びついた投資家によって上昇したものの、すぐに売りに押され、株価は元に戻っています。売買高は一度増加したものの、すぐに減少しており、買いの勢いは続いていません。

C社のチャートは…

 C社は2月初旬に急上昇したあと、利益確定売りで少し下げましたが、売買高は依然として高水準です。新たな好材料を評価する買いが続いていると見られます。

 窪田さんによれば、一般的に見て、下げ幅が上昇幅の半分以内(半値押し)で収まっている場合は、上昇トレンドが継続中と判断できると言います。

 C社の場合は、1,050円を下回らない限り、買いの勢いは続いていると判断できます。