2025年10月、秋の園遊会にお出ましになった両陛下2025年10月、秋の園遊会にお出ましになった両陛下 Photo:ZUMA Press/AFLO

皇室の方々に毎年支払われる、プライベートな位置付けである「お手元金」。来年度予算から、実に30年ぶりに増額される見通しだという。皇室の方々はこのお手元金で投資を行い、資産を増やされているというのだが、その具体的な使い道とはいったい? また、1500万円を19億円に増やした、昭和天皇の気になる投資先とは?(綾部和也、ダイヤモンド・ザイ編集部)

大学1年生の悠仁さまの
“手取り”が1000万円に!?

 皇室の方々の生活費やお小遣いなどに充てられるプライベートなお金という位置付けの「お手元金」。このお手元金が来年度予算から増額される方向で進んでいると報じられ、にわかに話題を呼んでいる。

「実に30年ぶりの増額です。近年の物価と人件費の上昇が宮内庁の基準を上回ったことが理由とのこと。現在のお手元金から1割ほど増額されると言われています。ただ、ネット上では、秋篠宮家のご長男で、まだ大学1年生である悠仁さまの“手取り額”が1000万円を超える見通しであることに疑問の声も出ているようです」(皇室担当記者)

 お手元金は大きく「内廷費」と「皇族費」の2種類に分かれる。これらの金額は皇室経済法と皇室経済法施行法で定められており、天皇ご一家と上皇ご夫妻に支給される内廷費は年間で3億2400万円。

 一方、そのほかの宮家である秋篠宮家や常陸宮家などに支給されるのが皇族費。これは宮家によって金額が変わる。ちなみに、お手元金は全額非課税だ。

「皇族のご身位によって支給される皇族費は異なります。基準になる定額が存在し、現在は3050万円。この定額を用いて、それぞれの皇族費を算出します。当主である親王は定額、その親王妃は半分といった算出方法です。

 秋篠宮さまは皇嗣なので定額の3倍で、年間の皇族費は9150万円、紀子さまが定額の半分で1525万円、佳子さまと悠仁さまが定額の3割でそれぞれ915万円となっています。つまり、秋篠宮家には総額で年間約1億2500万円の皇族費が支給されています。これを4分割して、四半期ごとに支給されます」(宮内庁関係者)

2025年9月、悠仁さまの成年行事が行われ、秋篠宮家の4方で記念写真を撮られた。(宮内庁公式インスタグラムより)2025年9月、悠仁さまの成年行事が行われ、秋篠宮家の4方で記念写真を撮られた。(宮内庁公式インスタグラムより)
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 各皇族への皇族費は決まっているが、宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんによると、お手元金の増加=悠仁さまの手取りが1000万円になるというわけではないようだ。

「宮家皇族の方々ごとに金額は決まっていますが、個々人に支給されるのではなく、宮家ごとに総額が支給されます。つまり、悠仁親王殿下名義の銀行口座などに振り込まれるわけではありません。

 支給された皇族費の使い方は各宮家の自由ですが、宮家勤務の職員と相談しながら、当主が決めているはずです。例えば、佳子内親王殿下や悠仁親王殿下のお小遣いなどは適宜、ご本人にお渡ししていると思われます。そういった普段の生活に使用するお金をどう使うかまでは、宮内庁も管理していません」(山下さん)