10月以降、食料品の値上げが相次ぎ、その数、3000品目超。実質賃金は8か月連続で減少した。
そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃のお金の戦術書」と絶賛されているのが、ニック・マジューリ著『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。そしてついに、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』が日本上陸。この世界的ベストセラーはお金の「戦略書」だ。スコット・ギャロウェイ(『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する最新刊についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
Photo: Adobe Stock
収入は増えても
手元にお金が残らない理由
年収が500万円から700万円に上がった。
昇進して、以前より確実に稼げるようになった。
なのに、貯金はほとんど増えていない。
むしろ、クレジットカードの請求額は膨らみ、毎月の支払いに追われている。
「収入が増えたら貯まるはず」と思っていたのに、現実は違った。
稼いでいるはずなのに、なぜか手元にお金が残らない。
こういう人は意外と多い。
収入が上がると同時に、生活水準も一緒に上がってしまうからだ。
以前は我慢していた外食が当たり前になり、服も靴も気兼ねなく買う。
家賃も、少し高い場所に引っ越す。
稼ぎが増えた分、使う額も自然と増えていく。
その結果、収入と支出のバランスは変わらず、貯蓄はいつまでも増えない。
世界的ベストセラーの教え
14か国以上で翻訳されている世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。
すべては収入に帰結するのだ。
今日の収入は、明日の資産の基盤になる。
収入は、あなたが経済的に望むあらゆるものを築くための基盤になる。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.82)より
本書によると、収入と資産には強い相関関係があり、高収入の世帯ほど資産も多い傾向にあるという。
ただし、ここには重要な前提がある。
それは、収入を資産に変える行動を取っているかどうかだ。
「稼いでいるのに貯まらない」沼から
抜け出せない本当の理由
「稼いでいるのに貯まらない人」は、収入を一時的なものとして扱っている。
一方、資産を築ける人は、収入をストックに変える視点を持っている。
収入に対する考え方が変われば、お金の流れも変わる。
それが、同じ年収でも資産額に大きな差を生む理由だ。
本書を読んで気づいたのは、資産を増やすために必要なのは、
収入を増やすだけではなく、その収入をどう活かすかという設計力だ。
たとえば、月5万円の収入増があったとする。
それを全額、生活費や娯楽に使ってしまえば、資産は1円も増えない。
だが、その5万円を投資や貯蓄に回せば、5年で最低でも300万円の資産になる。
生活費として消費するのか、それとも将来の資産として積み上げるのか。
増えた収入をどう扱うかで、未来の景色はまったく変わってくる。
毎月の選択の一つひとつが、数年後の自分の資産を左右するのだ。
収入を消費で終わらせず、未来の資産へと変換していく。
その意識が、「稼いでいるのに貯まらない」沼から抜け出す鍵になる。
(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)










