
トップ5に変動あり!
森村グループ企業がトヨタを抜かす
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された「平均年間給与」のデータを基に、愛知県に本社がある企業にフォーカスした、「年収が高い会社ランキング2025【愛知県】」をお届けする。対象期間は2024年5月期~25年4月期。平均年収、従業員数、平均年齢は単体ベースで、従業員数100人未満は除外した。
それでは早速、ランキングを確認していこう。
1位は豊田通商で、平均年収は1320.3万円。一般的に大手商社の年収は高いことで知られるが、1位となった背景には、25年3月期決算の業績が好調だったこともあるだろう。具体的には、円安やアフリカでの自動車販売が伸びた影響で、売上高にあたる「収益」は10兆3095億円(前期比1.2%増)、営業利益は4971億円(同12.6%増)、経常利益は5368億円(同14.3%増)、純利益は3625億円(同9.4%増)と、特に利益面で大幅な増収増益だった。
2位はあいちフィナンシャルグループ(FG)で、平均年収は1043.9万円。同社は22年10月3日に設立された。共に愛知県を地盤とする第二地方銀行の愛知銀行と中京銀行が経営統合して出来た金融持ち株会社である。
3位は日本特殊陶業で、平均年収は987.5万円。昨年版のランキングでは894.0万円で6位だったが、90万円以上年収を上げてトップ5に入った。25年3月期決算は売上収益が6529億円(前期比6.3%増)、営業利益が1296億円(同20.5%増)。主に自動車補修用製品の好調や価格転嫁の成功で、大幅な増益だった。
同社はかつて日本ガイシの事業部の一つだったが、1936年に分離し創業。ノリタケを中核企業とした森村グループに所属する一社であり、同グループは世界最大級のセラミックス企業群だ。同グループには、トイレや風呂、温水洗浄便座「ウォシュレット」で知られるTOTOもいる。
4位はトヨタ自動車で、平均年収は982.6万円。世界に誇る日本のトップ企業であるトヨタが4位、しかもグループ傘下の豊田通商に平均年収で300万円以上も差を付けられているのを、意外に思う人も多いだろう。
従業員数に着目してほしい。トヨタの単体従業員数7万1515人は、今回のランキング対象企業である全174社の中でずば抜けて多い。にもかかわらず、ベスト5に入る高年収であることが、トヨタの強さを物語っている。
5位はダイコク電機で、平均年収は950.6万円。昨年版のランキングでは958.8万円で3位だった。同社は、パチンコ・パチスロホール向け設備機器と、遊技機の表示・制御ユニットが2大事業。ホール経営用コンピューターと、遊技ファン用のデータ表示機で業界トップシェアを誇る。
次ページ以降、6位以下を含めた全174社の順位と平均年収を掲載している。トヨタグループでトップ5入りを逃したデンソーやアイシン、豊田自動織機、ジェイテクトなどは何位なのか。また、中部地方の大手企業であるJR東海やスズケン(医薬卸)、リンナイ、東建コーポレーション、リゾートトラストは何位にランクインしているのか、ぜひチェックしてみてほしい。
最後に、ランキングの「癖」について説明したい。それは、持ち株会社(ホールディングス)と事業会社が混在していることだ。持ち株会社として上場している企業の中には、経営企画や人事系など、少数の幹部社員だけしか在籍していないところがある。すると、その企業の実態(グループ全体)よりも年収が高く出てしまう恐れが強い。そうした「癖」の影響をなるべく排除するために、従業員が100人未満の会社はランキングから除外した。
こうした事情を踏まえて、ランキングを見てほしい。平均年収に合わせて、従業員数も掲載しているのはそのためだ。
それでは次ページ以降、6位以下を一挙に公開する。
(ダイヤモンド・ライフ編集部)







