情報を「捨てる」勇気が直感を磨く

現代はSNSやニュースサイトに情報が溢れ、多くの投資家が「何を買えばいいか」という正解を外部に求めがちです。しかし、著者が指摘するように、アナリストの言葉や他人の推奨を鵜呑みにすることは、自分の相場観を育てる機会を放棄していることと同じです。

あえて情報を遮断し、チャートと板(気配値)だけに向き合う。「情報を捨てる」ことで初めて、他人の意見に惑わされない、自分だけの相場の物差し(直感)が磨かれていくのです。

「再現性」のない勝利はただの麻薬

人の意見に乗って儲けた利益には「再現性」がありません。なぜ勝てたのかを理解していないため、相場環境が変わればすぐに通用しなくなるからです。これはビギナーズラックという名の「麻薬」であり、最終的には破滅への入り口となります。

逆に言えば、「自分で考え抜いて負けた経験」は財産です。敗因を分析し、修正することができるからです。失敗を糧にできるのは、自分の頭で考えた人だけなのです。

全責任を負う「経営者マインド」を持つ

「雇われて働くほうがいい」という厳しい言葉は、投資家に対する「経営者意識を持て」というエールでもあります。

給料のように決まった対価が保証されない世界で、自分の判断一つで資産を増減させる。このヒリヒリするような責任感を楽しめるか、それとも苦痛と感じるか。シゲルさんの言葉は、私たちが「本気で相場で生きていく覚悟」を持っているかを問いかけています。

※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。