プロトタイピング作業手順は以下のとおりです。
1.原料の入手
・大分県産の温泉水を入手する
・高品質の国産みかんを入手する
・必要に応じて、安全性を確認するための検査を行う
2.ジュース製造のテスト
・温泉水とみかんジュースの比率を変えながら、複数の試作品を作成する
・味、香り、色合いなどの官能評価を行う
・最適な比率を見つける
3.保存テスト
・複数のロットを作成し、一定期間保存しながら品質の変化を確認する
・賞味期限を設定する
4.安全性の確認
・食品衛生法や関連法規に基づき、必要な検査を実施する
・温泉水の成分が安全であることを確認する
5.製品化に向けた準備
・最終的な製品規格を決定する
・容器のデザインや表示ラベルを作成する
・製造、流通、販売の方法を検討する
注意点:
・温泉水の成分によっては、衛生上の問題が生じる可能性がある
・みかんジュースと温泉水の割合が適切でないと、味や香りが損なわれる
・製品の保存環境によっては、品質が変化する可能性がある
達成すべき要件:
・独自の風味を実現し、差別化された製品とする
・安全性が確保され、法規制に適合している
・消費者ニーズに合った製品規格を設定する
・SNSでの話題性を高め、認知度向上につなげる
モノについてはAI側に実証実験の知見が溜まっているのでしょうか。わりと精密な回答です。わからないことがあれば、遠慮なく聞きます。
「3.保存テスト
・複数のロットを作成し、一定期間保存しながら品質の変化を確認する
・賞味期限を設定する」
とありますが、一定期間とは、どのくらい保存するべきなのでしょうか?
「一定期間」など、AIの初回回答では抽象度の高い表現で返ってくることが多いので、気になった点は追及しましょう。実験やプロトタイプ制作にあたっては、数字など具体的な目安がほしいですから。
保存期間につきましては、通常の清涼飲料水と同等かそれ以上の期間をテストする必要があります。一般的な期間として以下が目安になります。
・最低3か月間
・望ましくは6か月間
・理想を言えば12か月間
この間、定期的に(たとえば1か月ごと)官能検査や理化学検査を行い、味、香り、外観、成分の変化などを詳細に記録していきます。賞味期限は、これらの変化から最終製品が許容できる品質水準を保てる期間を設定することになります。
また、容器の種類や保存環境(温度など)によっても品質変化は異なるため、実際の製品化を想定した状態で試験を行うことが重要です。
保存期間が長ければ長いほど、より安全で信頼性の高い製品となり、流通期間の長い製品化が可能になります。十分な期間のテストが不可欠です。
実証実験は1人あるいは自社のリソースだけではできません。多くの人に声を掛け、巻き込んでいくことも必要です。
その際、手順と共に実験に必要となる期間がわかれば他者の協力も得やすくなるでしょう。アイデアを断念する判断もしやすくなります。
技法その37「実証実験の手順」、ぜひ活用してみてください。
(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。この他にも書籍では、AIを使って思考の質を高める56の方法を紹介しています)








