ライブ動画を見ながらうちわを振って推しを応援するZ世代の女の子写真はイメージです Photo:PIXTA

現在の若者を指す言葉としてすっかり定着した「Z世代」だが、そもそもZ世代とはどういう経緯でできた言葉かご存じだろうか?日本の若者だけで使われる言葉ではなく、アメリカ発の概念であり、アメリカのZ世代の特徴のひとつは「戦争を知らない」ことだ。経営学者・舟津昌平氏が、アメリカと日本のZ世代の消費行動や価値観を解き明かす。※本稿は、舟津昌平『若者恐怖症――職場のあらたな病理』(祥伝社)一部を抜粋・編集したものです。

Z世代という言葉の源流は
アメリカの大ヒット書籍

 現代の若者は何を信じていいかわからなくなっている。それを確認するために「Z世代」という言葉についてあらためて考えてみたい。

 Z世代。現代の若者を象徴する概念として既に何度も取り上げている。ただ一部の方は言葉自体に胡散臭さを感じるようで、そんな表現を使う時点で信頼できないといったリアクションを受けることさえある。

 Z世代は存在しないとかZ世代としてくくられることに嫌悪感を持つといった話も、そういったニュアンスに影響を受けているのだろう。しかしそうしたイメージとは裏腹にZ世代はわりと由緒ある(?)概念である。

 各所で話したところ意外にも知られていない感覚を持ったのだが、Z世代はアメリカ発の概念である。先に「X世代」がいたのだ。1965~80年生まれの世代を指し、X世代(Generation X)という言葉を用いた書籍がヒットしたことで広まっていった。

 80~90年代に生まれたY世代が続き、Z世代はその系譜における「第3世代」なのである。

 Z世代がアメリカで注目される理由はまず、数の多さと購買力である。アメリカにおいて全人口に対するZ世代の割合はざっと2割台。日本は2023年で12%程度だ。