AI(人工知能)トレードはなお苦境にある。AI関連銘柄の指標的存在である半導体大手エヌビディアの好決算を受けて、東京から20日序盤のニューヨークまで株価が急伸した。しかしその後、株価指数は反転し、4月に関税問題で市場が混乱して以来最大の上げ幅消失となった。この急激な値動きは、AIブームの中心にある銘柄にとって苦しい局面を長引かせるものとなった。これらの銘柄の膨らんだバリュエーションや積極的な支出計画に対して、投資家がいかに神経質になっているかを示しており、一部ではバブルの兆候ではないかと懸念する声もある。20日に懸念に拍車をかけたのは、米政府機関閉鎖で遅れていた雇用統計の発表だった。これにより数週間に及ぶ主要経済指標の空白期間は終わったものの、労働市場の現状や長らく議論されてきた米連邦準備制度理事会(FRB)による12月の利下げの可能性についてはほとんど明確にならなかった。