トランプ米政権のウクライナ和平案は、ウクライナ政府に対して広範な領土および安全保障上の譲歩を要求するものとなった。一方で米国がウクライナ領土の一部に対するロシアの主張を認めることなど、ロシア政府を合意に歩み寄らせる経済・政治的な内容も含まれている。ホワイトハウスはドナルド・トランプ大統領が1月に就任して以降、4年間続く戦争の終結を目指してきた。だが同氏の最側近がロシアのウラジーミル・プーチン大統領やウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に示した条件や詳細は、これまでほとんど明らかにされていなかった。ホワイトハウスはオンライン上に投稿された草案について、これが本物であることを認めた。草案では現在ウクライナが支配している東部ドンバス地域がロシアに割譲される。また前線が凍結される他のウクライナの地域は、ロシアの事実上の支配を受け入れることが盛り込まれている。