下の写真に示すように、私たちがおいしく食べている果実の中の部分は「内果皮」(ないかひ)と言います。果実を輪切りにすると、内果皮の中心から3本の線が伸び、皮の近くで噴水のように曲がっています。スイカの種は曲がったところから少し離れたところの6か所にかたまっています。

画像:スイカShutterstock 拡大画像表示

 果実の中にある種は、品種や果実の大きさによって異なりますが、2Lサイズで400~500粒と言われています。

【豆知識】
 アジアではスイカの種を食用とする地域が多くあります。乾燥した種を炒って酒の肴(さかな)やお茶請けにします。この種の大きさは、ふつうの種の2倍くらい(15mm前後)あります。この種には、可食部100gあたりタンパク質29.6g、脂質46.4g、炭水化物13.4gが含まれています。一方、カボチャの種では、タンパク質26.5g、脂質51.8g、炭水化物12.0gが含まれています。〔出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」〕

イチゴの赤い部分は
「果実」じゃない?

 真っ赤なイチゴの表面には、ゴマのようなつぶつぶがたくさんついています。これは種(たね)でしょうか?そして、食べる三角の赤い部分が果実なのでしょうか?

 イチゴの表面のつぶつぶをうまく取り出して、割ってみましょう。その中に本当の種が入っています。見えますか?

 一般的に「果実」とは、花が受精して、めしべの下部(子房)が成熟し、その中に種をもっているものです。イチゴの表面にあるつぶつぶの1つ1つは種をもっていますので、「果実」なのです。でも、とても小さく、やせています。そのため、「瘦果」(そうか)とよばれています。1個のイチゴには、200個から300個の果実(瘦果)が規則正しくらせん状についています。