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スーパーで手に入る身近な果物について、子どもに素朴な質問をされたときにうまく答えられるだろうか。スイカの白い種、イチゴのつぶつぶ、種なしブドウの繁殖方法など、意外と知らない果物の豆知識をご紹介する。※本稿は、日本作物学会編『農作物のひみつ』(化学同人刊)収録の「スイカの白い種は黒い種とは違うもの?」「イチゴのつぶつぶは種じゃないの?」「種のないバナナやブドウをどうやって増やす?」を一部編集したものです。
スイカの種が
黒以外の色になる理由
キャンプや海辺で行われるスイカ割り。割るのはスイカの「果実」です。スイカの果実を棒でエイッ!と割ったとき、黒色の種(たね)に白色の種が混じっていることがあります。茶色の種もあるでしょう。どうして色が違うのでしょうか?
種の表面の色がついている部分を種皮(しゅひ)と言います。色の違う種を指で押しつぶすように触ってみてください。白色の種は厚みがなくて種皮が柔らかいのですが、薄茶色、黒色と種皮の色が濃くなるにつれて、種は膨らんで、種皮はより硬くなります。
スイカのめしべが受粉して受精すると、種ができます。種には、次の世代の植物体となる部分の「胚」と、種から芽が出るときに必要な栄養分を蓄えた「胚乳」ができます。果実が成熟すると胚の成長も完了し、種皮は硬く黒色になります。
種を工夫してうまく縦に割ってみてください。黒色の種の内部には胚と胚乳があり、充実していますが、白色の種には胚や胚乳がほとんどないでしょう。薄茶色の種は、胚と胚乳の発達が不完全なことがわかります。
白色の種に胚がないのは、受精できなかったか、受精はしたものの胚の成長が不完全だったためです。このように、種皮の色と種の内部にある胚や胚乳の発達は、とても深く関係しているのです。







