それでは、私たちが食べている、あの三角の赤い部分は何なのでしょうか?下の図に示すように、イチゴの花では、めしべとおしべがついている丸い土台のようなものが、白い花びらに包まれています。この土台のようなものは「花托」(かたく)とよばれています。私たちが果実だと思って食べている甘い部分は、多数のめしべやおしべをつけている花托が、受粉することによって大きく膨らんだものなのです。
ハチと花、イチゴ:Shutterstock/イチゴの花と花托の断面:『新野菜全書』農文協(1977) 拡大画像表示
つまりイチゴの実は、膨らんだ花托のまわりに、つぶつぶの小さな果実がたくさんついたものなのです。
このイチゴのつぶつぶの数が花托の成長の程度を決めるので、つぶつぶの数が多く均一に分布しているほど、1個のイチゴが大きくきれいな形になるそうです。そのためイチゴの栽培では、ミツバチやマルハナバチなどを飼って人工授粉が行われています。
【豆知識】
イチゴは、ビタミンC、ビタミンB群である葉酸を多く含みます。また、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富で、目の働きを高めたり、眼精疲労を予防したりする効果も期待できるそうです。
イチゴは、ビタミンC、ビタミンB群である葉酸を多く含みます。また、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富で、目の働きを高めたり、眼精疲労を予防したりする効果も期待できるそうです。
なぜバナナは
種がないのに子孫を残せるの?
日頃、私たちが食べているバナナには種(たね)が入っていません。輪切りにしたバナナの中心部に見られる小さな黒い点が、種のなごりなのです。もともとバナナにも種はありました。
種があるバナナは、2セットの染色体(遺伝子DNAの集合体)をもつ「二倍体」の植物です。一般的な生物は、父方と母方からそれぞれ1セットずつ染色体をもらっているので、2セットの染色体をもつ二倍体になります。一方、種なしバナナは、3セットの染色体をもつ「三倍体」植物です。三倍体植物では染色体の細胞分裂が不規則になるため、一般的に種ができないと言われています。種なしスイカも同じ原理です。







