水洗いしてはいけないキノコと水洗いした方がいいキノコと違いとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

レンコンにはなぜ穴が空いているのか?白菜の黒い点々はなんなのか?なぜキノコは水洗いしてはいけないのか?身近な野菜でも、よくよく考えてみると知らないことはたくさんある。知っておくと役にたつ野菜の豆知識をご紹介する。※本稿は、日本作物学会編『農作物のひみつ』(化学同人刊)収録の「レンコンの穴って何のため?」「ハクサイの黒い点々の正体は?」「キノコは洗わないほうがいいって本当?」を一部編集したものです。

なぜレンコンには
穴が空いているの?

 レンコンは、水田などに植えた「ハス」とよばれる植物の、土(泥)の中を伸びた茎〔地下茎(ちかけい)〕が、秋になって先端の部分が肥大したものです。この地下茎は「根茎」(こんけい)ともよばれます。

 ハスは地下茎と根が水底にあり、葉の下のほうを水中に、上のほうを水面より上の空中に伸ばします。「湿生植物」(しっせいしょくぶつ)ともよばれます。地下にある地下茎などへ空気を送るために、菅状になった穴(通気組織)がよく発達しています。レンコンの穴は、菅状に発達した通気組織なのです。この穴は葉の中を通り、水面上にある葉までつながっています。葉の表面には「気孔」(きこう)という穴があり、空気が取り込まれています。

 レンコンの穴の数は10個が基本で、左右対称となっています。

 ハスは、地下茎がよく肥大レンコンを食用とする「食用ハス」と、地下茎はあまり肥大せず花を観賞する「花ハス」とに分けられます。