業績好調なのに株価が下がっていた銘柄を買って成功!
株価のバブルと暴落を研究してリスクコントロールも実践
成長株投資に加えて、すぽさんが実践するようになったのが「決算先回り投資」だ。過去に成功したトレジャー・ファクトリー(3093)のケースで説明しよう。トレジャーファクトリーはリサイクルショップを展開する企業で、2023年は業績好調にもかかわらず株価チャートは下落が続いており、PERも11倍程度と割安だった。
「月次売上高が前年同期比プラス10%程度の水準が継続し、店舗効率が上がり利益率向上が期待できました。にもかかわらず、会社計画では下期はプラス1%程度の前提。通期決算での上ブレはほぼ確実でした」(すぽさん)
ここでポイントになるのが、通期業績の上ブレを市場参加者がどこまで織り込んでいるかだ。
「株価チャートが上昇していれば、通期の好業績が株価に織り込まれている可能性が高いのですが、この時はチャートが下落しており、その可能性は低いと考えて買いました」(すぽさん)
そして4カ月後には、すぽさんの読み通りに業績予想の上方修正が発表された。結果、株価は約1年で48%も上昇したのである。
こうした決算先回り買いに加えて、近年すぽさんが熱心に研究しているのが、株式市場でのバブル発生とその崩壊を読み解くこと。この研究のおかげで、すぽさんはコロナ・ショック前の2020年1月に持ち株をすべて売却し、暴落を免れた。
現在は、経済物理学者ディディエ・ソネット氏が提唱した「ドラゴンキング理論」をもとに、バブル崩壊を読み解いている。無料で公開されているドラゴンキング理論の計算プログラムを使ってグラフにしたのが下の図だ。
2025年1月にも米国のS&P500指数にバブル崩壊サインが出ていたため、保有株の3割を現金化。これにより3月の急落をうまく回避できた。
「100%当たるわけではありませんが、個別銘柄でもできるので、参考にしながら売買しています」(すぽさん)
ちなみに、このチャートで分析すると、2025年10月31日時点で日経平均株価にはバブル化の兆候が出ていて、近いうちに調整が起こる可能性が高いという。そのため、すぽさんは現状、資産を株6割、現金4割の比率にしているとのことだ。









